緒方拳さんが5日(金)、肝がんのため71歳で亡くなった。
最近は、あのギラギラしたアクが抜けた分、芯の通った無骨な感じが老境とあいまって、ああ、「本当のドラマを久々に見た」と思わせる演技を見たばかりだったのに、急な訃報に接し残念としかいいようがない。
一時期は「日本映画は健と拳ばかりが出ている」と言われたほど、緒方拳と高倉健が次々と大作、話題作に出演していた時代があった。このような批判も、今考えれば贅沢な言い草で、いかに当時の日本映画が人気、内容とともに充実していたものだったかがわかる。
緒方さんは、この脂の乗っていた頃は、映画「鬼畜」「復習するは我にあり」、TV「必殺仕掛人」など、主役といってもアウトロー、犯罪者の役が多く、子どもからするとコワいイメージがあったが、ご本人が書をたしなんだ姿などを思うと、普段は「静」の人だったのではと思う。
あと印象深いのは、映画「MISIMA」(日本未公開)での三島由紀夫の役だ。最初の3篇は「金閣寺」「奔馬」「鏡子の家」といった作品のドラマ化なので、しばらくは出てはこないが、脇の青年たちを三上博や塩野谷正幸などが固め、最後に刎ねられた三島の首=緒方さんの顔ががビューンと画面へアップになって迫ってきた。
最近では「ゲゲゲの鬼太郎」にもぬらりひょんで出ていた緒方さん。
がんということはそうとう辛かったのではないかと思うが、まるでするりとあの世へ行ってしまわれたようだ。ご冥福を祈る。

最近は、あのギラギラしたアクが抜けた分、芯の通った無骨な感じが老境とあいまって、ああ、「本当のドラマを久々に見た」と思わせる演技を見たばかりだったのに、急な訃報に接し残念としかいいようがない。
一時期は「日本映画は健と拳ばかりが出ている」と言われたほど、緒方拳と高倉健が次々と大作、話題作に出演していた時代があった。このような批判も、今考えれば贅沢な言い草で、いかに当時の日本映画が人気、内容とともに充実していたものだったかがわかる。
緒方さんは、この脂の乗っていた頃は、映画「鬼畜」「復習するは我にあり」、TV「必殺仕掛人」など、主役といってもアウトロー、犯罪者の役が多く、子どもからするとコワいイメージがあったが、ご本人が書をたしなんだ姿などを思うと、普段は「静」の人だったのではと思う。
あと印象深いのは、映画「MISIMA」(日本未公開)での三島由紀夫の役だ。最初の3篇は「金閣寺」「奔馬」「鏡子の家」といった作品のドラマ化なので、しばらくは出てはこないが、脇の青年たちを三上博や塩野谷正幸などが固め、最後に刎ねられた三島の首=緒方さんの顔ががビューンと画面へアップになって迫ってきた。
最近では「ゲゲゲの鬼太郎」にもぬらりひょんで出ていた緒方さん。
がんということはそうとう辛かったのではないかと思うが、まるでするりとあの世へ行ってしまわれたようだ。ご冥福を祈る。
