7.点前には強みばかりを思ふなよ 強きは弱く軽く重かれ
これは6で紹介した文章に通じている。
6.点前には弱みをすててただ強く されど風俗いやしきを去れ
軽い道具を扱う時は、重い道具を扱う気持ちで、重い道具を扱う時は、軽い道具を扱う気持ちで点前をせよ。
水指を点前座に運び出しする時には先生からよく言われた。「重そうに持たずに、すっと持って立ちなさい。」
茶杓を清める時は、「さっさ、す . . . 本文を読む
6.点前には弱みをすててただ強く されど風俗いやしきを去れ
最初この歌を読んだとき、よく意味がわからなかった。点前をする際は、弱くではなく、力強く、はっきりと、けれど、卑しい風体でなく行えと言っているのかと思った。
井口先生はこう言っている。点前はなよなよと弱すぎるのはいけない、かといって強すぎて力が入りすぎているのもいけない、力が入りすぎると見た目が卑しくなる。初心者は緊張してコチコチ . . . 本文を読む
5.上手にはすきと器用と功積むと この三つそろふ人ぞ能くしる
上手になるには必要条件が3つある。第一に好きであること、第二に器用であること、第三に修行を積むこと。
好きこそものの上手なれとはよく言ったもので、好きなれば自分で進んで学ぼうとし、時間もかけるようになる。
二つ目の器用であることについては、井口海仙先生はこう言っている。“器用不器用は人各々の天性であるから仕方がないようだが、 . . . 本文を読む
4.はぢをすて人に物とひ習ふべし 是ぞ上手の基なりける
井口海仙先生の解説にはこうある。
“昔の言葉に「知らぬ事は知りたる人に問うを恥じず」というのがある。知らぬことは恥ずかしいと思わず、師匠や先輩に質問すればよい。・・・(中略)機会を逃がしてしまうと知りたいこともそのままになってしまう。これは大きな損失である。その反対に一時の恥ずかしささえ忍べば、それが一生の得になるのである。”
まさ . . . 本文を読む
利休百首について書いていきたいと意思表明して、1,2と書きすすめたものの、その後随分時間があいてしまいました。今後は毎週一首と決めて書いていきたいと思います。今日は三首目について。
3.こころざし深き人にはいくたびも あはれみ深く奥ぞ教ふる
志をもって取り組む弟子には、師匠はどんな時も心をこめて親切丁寧に教えよう。
参考にした井口海仙著「利休百首」では、賀茂真淵と本居宣長の子弟のやり . . . 本文を読む
2.習いつつ見てこそ習へ習はずに 善悪言うはおろかなりけり
とやかくいうなら習ってみてからにせよ。習いもせずに良い悪いを述べるのは愚かなことである。
納得の言葉である。
見ているだけど、実際やってみるのとでは、大きく違う。昔はあまり感じなかったが最近は頓に感じる。簡単にやっているように見えても、いざ自分がやってみるとできなかったりする。見ていて美しいと感じる所作や芸道の裏には、実は大変な . . . 本文を読む
以前、茶の基本思想として、四規七則、利休百首という教えがあるとお話しました。
和敬静寂 千利休の四規七則
http://blog.goo.ne.jp/m-tamago/e/0770ef8aced35ccbea10684681b16461
利休百首
http://blog.goo.ne.jp/m-tamago/e/a1a5cf356f817e61c6b07ff97898dd1c
いずれも茶の湯の . . . 本文を読む