全く更新していなくてお恥ずかしい限りですが、百首まで地道に進みたいと思います。
17.薄茶入蒔絵彫もの文字あらば 順逆覚え扱ふと知れ
薄茶器は、材質も様々で漆塗が多いものの、他に、木地,象牙,竹,一閑張,籠地,陶磁器,金属などの素材もある。
そして、無地だけでなく、蒔絵や漢詩、和歌が蓋から胴にかけて書かれているものや、堆朱、堆黒、鎌倉彫などの彫り物があるものがある。
そういった . . . 本文を読む
16.棗には蓋半月に手をかけて 茶杓を円く置くとこそしれ
15首は中継(なかつぎ)、16首は棗の扱いを記している。
その形や扱いの違いについては15首でご紹介したので省略して、井口先生の書より、ご紹介する。
以下引用*******************
棗は足利義政時代に、京都妙覚寺法界門の傍に住んでいた羽田五郎が始めたといわれる。形は果実の棗から生まれた。棗は胴のおよそ三分の二の . . . 本文を読む
15.中継は胴を横手にかきて取れ 茶杓は直におくものぞかし
中継(なかつぎ)は胴の横の部分に手をかけて持て、茶杓はまっすぐに置くものである、という15首。
”中継”、つまり”中次”は、薄茶器のひとつ。
薄茶器でベーシックかつ最初の稽古に使うものといえば棗(なつめ)である。茶道を学んでいらっしゃる方にはすぐわかることとは思うが、棗は全体に丸みを帯びていて、蓋もなだらかな丸みのある形になっ . . . 本文を読む
14.よそにては茶を汲みて後茶杓にて 茶碗のふちを心してうて
毎週、利休百首を一首ずつ読み振り返りたいと始めたのに、忙しさに紛れて13首目を書いてから随分長い時が経ってしまった。
子供が4月から幼稚園に行くようになり、慌ただしく過ぎてきたが、今日はふっと時間ができた。久しぶりにブログを書こうと思い立ち、これまでの百首を読み返してみた。そして、今、平点前の順序を追いながら、無性に点前がしたい . . . 本文を読む
13.とにかくに 服の加減を覚ゆるは 濃茶たびたび点てて能く知れ
濃茶を習うようになると、薄茶以上に服加減が難しいということを感じる。薄茶ももちろんクリーミーな仕上がりにするには鍛錬が必要だが、お稽古や茶会で点てている間にそれなりになっていき、今ではよほどのことがない限り、お客に出してまずい薄茶ということはないだろうと思える位にはなった。
が、自分でも未だにうまく点てられたと感じる(自分で飲 . . . 本文を読む
12.濃茶には湯加減あつく服は尚ほ 泡なきやうにかたまりもなく
濃茶を点てる時の教えである。濃茶には湯加減が大切。季節によって、状況によってその頃合いを見て点てるのが点前上手ではあるが、やはり、ぬるいより湯加減は熱い方がよい。泡もないように、抹茶の塊もないように滑らかに練るのがよい。
濃茶を練る時は、まず1回目に茶碗に入れる湯の分量がポイントだと思う。
その際の湯の量が、抹茶に対して少な . . . 本文を読む
11.濃茶には点前をすてて一筋に服の加減と息をもらすな
濃茶では服加減が一番大切となる。ちょうどよく濃茶を練ることに専念して、点前の上手下手には重きをおかないという教えである。
濃茶を練るのに「息をもらすな」。
つまり練ることに腹に力を入れ、集中して、行えということだろう。
自分が濃茶を練る時どうしているか、振り返ってみた。薄茶の時よりは、緊張する。茶筅を入れた瞬間に背筋が伸びる。練っ . . . 本文を読む
10.点前こそ薄茶にあれと聞くものを 麁相になせし人はあやまり
点前の基本は薄茶にあると聞くものなのに、それをいい加減にする人は間違っている。
相伝物だから、濃茶だからと丁寧に点前して、薄茶をいい加減にするのは誤りである、点前の巧拙は運びの平点前薄茶にこそ最も表れるという教えです。
井口先生は、書道の例をあげ、楷書だから丁寧に書き、行書だから少々麁相(そそう)にかき、草書だから最もいい加 . . . 本文を読む
9.何にても置き付けかへる手離れは 恋しき人にわかるると知れ
8首目の「何にても道具の扱ふたびごとに 取る手は軽く置く手重かれ」に付け加えるように、道具から手を離す時は、恋人と別れる時のように余韻を残すとよいとしている。
確かにさっと手をひっこめてしまっては、道具にぶつかって粗相をする可能性もあるし、ゆったりと手を離すと道具や点前に重みが感じられる。人のお点前を拝見していると、ちょっとした . . . 本文を読む
7番目の首をご紹介してから随分時が経ってしまいました。
8.何にても道具の扱ふたびごとに 取る手は軽く置く手重かれ
点前には、運びと棚物点前とがあり、この首は特に運びの点前のことを言っている。道具を扱う度に、持ちあげる手は軽く、置き合わせる手は重くする。
水指など重い物を運び出す時は、実際かなり重いのだが、亭主は持ちあげる時は重そうにせず、軽く持ち上げるようにする。重い物を重そうにもつ . . . 本文を読む