茶の湯 徒然日記

茶の湯との出会いと軌跡、お稽古のこと

季節の音

2009-09-12 10:42:51 | m-tamagoの物想い
 蝉の声から虫の音へ、自然の音から季節の移り変わりを感じることは多いですね。 
 先日、朝日新聞の天声人語で「音の歳時記」という詩が紹介されていました。
那珂太郎さんの作、天声人語の筆者の表現とともにご紹介します。

一月   「しいん」   厳冬に天地は静まる
二月   「ぴしり」   春が兆して氷が割れる
三月   「たふたふ」  雪解けの川
四月   「ひらひら」  野を越えて蝶が飛ぶ
五月   「さわさわ」  風がわたる
六月   「しとしと」
七月   「ぎよぎよ」  カエルの合唱
八月   「かなかなかな」樹上の吹奏楽
九月   「りりりりり」 草むらの弦楽
十月   「かさこそ」  落ち葉
十一月  「さくさく」  霜の朝
十二月  「しんしん」  雪が降って時が逝く音

 なるほどなるほどとしばし音からそれぞれの風景を想像しました。その後、ふっとリラックスした自分がおりました。
 ”日々の喧騒からときには心身を解き放すのもいい。”
 筆者はそう結んでいました。

 私が茶道を続けてる理由のひとつに、季節を感じることの心地よさがあります。釜の湯の煮える音、香のかおり、火の色、床の間の花といった自然のものと、人の手による道具のコラボによって生み出された季節感はまた見事なものです。茶室に入る時は稽古場であろうと茶会であろうと五感と心を研ぎ澄まして臨みたい。普段見えないものがたくさん見え、感じられそうな気がするからです。
 今頃は秋の道具がたくさん登場していることでしょう。あと少しでお点前も中置。いよいよ風炉も終わりに近づき、侘びの季節の到来ですね。しみじみとした趣を楽しみたいところです。
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4 コメント

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なるほど! (ゴマ子)
2009-09-14 00:27:30
私もたまごさんとおなじく「なるほどなるほど」とうなずきながら、想像してしまいました。
ひらがなで書かれているから、いっそう雰囲気がでるのね。
日本語ってやさしいですね~。

早いもので風炉の時期も終わり。
お稽古に励みつつ、今しか味わえないお茶の世界の秋を、楽しみたいものです。
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Unknown (m-tamago)
2009-09-16 20:55:17
ゴマ子さん、こんばんは。
確かにひらがなだからこその味わいかもしれませんねー。
11月のさくさくを読んで霜柱が踏みたくなりました。でも、私が子供の頃は霜柱って冬になれば当たり前のようにあったけれど、最近なかなか見かけないんですよね。土が少ないのと昔より暖かくなっているからなんでしょうね。

お茶の世界の秋、満喫してください。私もイメージの中で味わいます♪
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こんばんわ (チカ)
2009-09-26 01:23:42
季節の音って素敵ですね。
練習をさせていただいている施設は古い日本家屋なんですけど、今度の練習でよく耳を澄ませて聞いてみます。
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こんにちは (m-tamago)
2009-09-27 13:49:57
チカさん、こんにちは。
お稽古している場所が古い日本家屋とのこと、きっと味わい深いでしょうね。お庭からも素敵な音が聞こえてきそうですね。
大学時代はお稽古場でも友達と賑やかにやっていたので、私が様々な音に耳を傾けるようになったのは年を重ねてからでした。
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