母方の先祖の墓地は、山の中にあり周囲には大きな木々がはえている。
今回、久しぶりに両親と墓参りにいくと、家を継いだ叔父が
「墓の周りに、はえていた木をすべて切った」という。
なるほど、行ってみると、全く違う場所かと思うほど印象が変わっていた。
実は、墓が在るところは、生家が見下ろせる場所だったのだ。
それが、100年以上経つ間に、木々がおい茂ってしまい
母や叔父が子どもの頃には、すでに木々に囲まれた場所だった。
私も、母に連れられて何度も来ているが、木々に囲まれた山の中だという
印象しかなかったし、「生家が見える」ということを、母から聞かされた記憶も
ない。
ところが、木がなくなると見晴らしの良い高台にあり、生家が一望できる
場所だった。
「なるほど、そう言う場所だったのか」
先人がこの場所に込めた想いが、はじめて判った気がした。
そして、叔父が語った「木を切った経緯」も興味深いものだった。
叔父は、以前から、墓の周りの木が大きくなるので、なんとかしないと
いけないと考えようなようなのだが、素人ではどうこうできる
代物ではないので、あきらめていたそうだ。
ところが、最近、材木を扱う業者が、使われてない山の木に目をつけ
間伐する費用の代わりに、切った木を引き取るということをしていて
それを知って頼んだそうだ。
高齢化が進んで、山の手入れもままならないので、結構なニーズがあり、
切った木が杉や桧の場合は、良い値で引き取ってくれ、お金になることも
あるとのこと。
なぜ業者がそこまでして、木を集めているかというと、これがなんと
ウクライナ情勢が関係していて、海外から木材が入って来なくなったため
とのこと。
ウクライナ情勢が巡り巡って、こんな田舎にも影響を及ぼした結果
山がきれいになったと教えてもらい、更に驚いた。