傑作娯楽活劇。
アクション映画はスカっとする。
私はアクション映画も好きでよく観る。
派手な銃撃戦や緊張感のあるカーチェイス、己の肉体を使った格闘シーン、どれも観ていて気持ちが爽快になるのだ。
勿論、正義が悪に勝つのが前提で、そのプロセスを、楽しませてくれるものに限るが。
アクション映画と言えばやはりアメリカ映画がその王国と言えよう。
枚挙にいとまがないほど、アメリカ製アクション映画は多くて、多彩だ。
しかし、昔日本にも、本場アメリカに負けないぐらいの活劇映画(あえてこう言うが)があった。
勝新太郎、田宮次郎コンビの「悪名」がそれだ。
原作は今東光、彼の友人で、この原作のイメージにぴったりの男性を元に描かれた本だ。
製作会社は、今は無き「大映」で、監督は田中徳三か森一生が作品によってメガホンを握った。
カメラマンは日本の名カメラマン宮川一夫が一貫して撮影した。
第一作の「悪名」から「悪名一番勝負」まで全16作品が製作、公開された。
ただし、第16作の「悪名一番勝負」は「悪名」の外伝的作品で、それまでの「悪名」とのつながりは無い、よって私自身はこの作品を「悪名シリーズ」からは除外している。
第一作の公開は1961年、今から半世紀以上も前である。
勝新太郎扮する、腕はたち、まがったことは大嫌いな男「八尾の朝吉(村上朝吉)」とその子分(朝吉は子分と言う言葉が嫌いでそうは思っていないが)モートルの貞(彼は第二作目で暗殺されてしまう)、モートルの貞亡き後は、その弟の清次、彼らがコンビを組み、旅先などで悪党をバッタバッタとなぎ倒す。
「悪名」とはそういう映画である。
どの作品もお勧めだが、今回はその中でも自身一番面白かった「悪名一番(1963年、森一生監督)」を紹介しよう。
亡きモートルの貞の妻お照から朝吉は相談を持ちかけられる。
彼女の友人が、金融会社にお金を預けたのだが、そのお金の引き出しを要求したところ断られたという。
朝吉になんとかして欲しいと、お照は頼み込む。
やがて朝吉は、その金融会社の支店長と話をするが、彼が言うには「東京の本社で社員が金を持ち逃げしてしまい、皆さんから預かったお金は返せない」と言われる。
事情を知った朝吉と清次は、無償でお金を取り返すべくヒッチハイクをしながら東京を目指すが.......
この作品には二つのポイントがある。
一つは前作まで、時代背景が曖昧で、いつの時代を背景に映画が製作されているかわからなかった、しかしこの作品で東京に行くことにより、その東京の風景を見ることができた、それはまさに1960年代の高度成長期の背景であった、これにより、より映画の時代背景が分かることになった。
もう一つのポイントは、朝吉がどこへ行っても田舎者扱いされ、そのことに徹底的に耐えるところだ、やはり器の大きい男は多少のことで堪忍袋は切れない、朝吉の性格をよく描写している。
しかし、最後はお決まりの悪党どもとの大乱闘、朝吉は決して刃物やピストルは使わない、清次も同じだ。
拳ひとつで勝負する、まさに大人の大喧嘩だ。
ラスト見事金融会社の陰謀を暴露し、喧嘩に勝った朝吉と清次はお照頼みどおりに、金融会社からお金を引き出させることに成功する。
今から遡ること半世紀以上も前に、このような痛快娯楽活劇が日本にはあった。
正義が悪を懲らしめる、勧善懲悪の映画だ、このような作品を嫌う方もいらっしゃるだろうが、あえて私は「悪名」の素晴らしさを称えたい。
是非、何作目の作品でも良いので、ご覧になる事をお勧めする。
アクション映画はスカっとする。
私はアクション映画も好きでよく観る。
派手な銃撃戦や緊張感のあるカーチェイス、己の肉体を使った格闘シーン、どれも観ていて気持ちが爽快になるのだ。
勿論、正義が悪に勝つのが前提で、そのプロセスを、楽しませてくれるものに限るが。
アクション映画と言えばやはりアメリカ映画がその王国と言えよう。
枚挙にいとまがないほど、アメリカ製アクション映画は多くて、多彩だ。
しかし、昔日本にも、本場アメリカに負けないぐらいの活劇映画(あえてこう言うが)があった。
勝新太郎、田宮次郎コンビの「悪名」がそれだ。
原作は今東光、彼の友人で、この原作のイメージにぴったりの男性を元に描かれた本だ。
製作会社は、今は無き「大映」で、監督は田中徳三か森一生が作品によってメガホンを握った。
カメラマンは日本の名カメラマン宮川一夫が一貫して撮影した。
第一作の「悪名」から「悪名一番勝負」まで全16作品が製作、公開された。
ただし、第16作の「悪名一番勝負」は「悪名」の外伝的作品で、それまでの「悪名」とのつながりは無い、よって私自身はこの作品を「悪名シリーズ」からは除外している。
第一作の公開は1961年、今から半世紀以上も前である。
勝新太郎扮する、腕はたち、まがったことは大嫌いな男「八尾の朝吉(村上朝吉)」とその子分(朝吉は子分と言う言葉が嫌いでそうは思っていないが)モートルの貞(彼は第二作目で暗殺されてしまう)、モートルの貞亡き後は、その弟の清次、彼らがコンビを組み、旅先などで悪党をバッタバッタとなぎ倒す。
「悪名」とはそういう映画である。
どの作品もお勧めだが、今回はその中でも自身一番面白かった「悪名一番(1963年、森一生監督)」を紹介しよう。
亡きモートルの貞の妻お照から朝吉は相談を持ちかけられる。
彼女の友人が、金融会社にお金を預けたのだが、そのお金の引き出しを要求したところ断られたという。
朝吉になんとかして欲しいと、お照は頼み込む。
やがて朝吉は、その金融会社の支店長と話をするが、彼が言うには「東京の本社で社員が金を持ち逃げしてしまい、皆さんから預かったお金は返せない」と言われる。
事情を知った朝吉と清次は、無償でお金を取り返すべくヒッチハイクをしながら東京を目指すが.......
この作品には二つのポイントがある。
一つは前作まで、時代背景が曖昧で、いつの時代を背景に映画が製作されているかわからなかった、しかしこの作品で東京に行くことにより、その東京の風景を見ることができた、それはまさに1960年代の高度成長期の背景であった、これにより、より映画の時代背景が分かることになった。
もう一つのポイントは、朝吉がどこへ行っても田舎者扱いされ、そのことに徹底的に耐えるところだ、やはり器の大きい男は多少のことで堪忍袋は切れない、朝吉の性格をよく描写している。
しかし、最後はお決まりの悪党どもとの大乱闘、朝吉は決して刃物やピストルは使わない、清次も同じだ。
拳ひとつで勝負する、まさに大人の大喧嘩だ。
ラスト見事金融会社の陰謀を暴露し、喧嘩に勝った朝吉と清次はお照頼みどおりに、金融会社からお金を引き出させることに成功する。
今から遡ること半世紀以上も前に、このような痛快娯楽活劇が日本にはあった。
正義が悪を懲らしめる、勧善懲悪の映画だ、このような作品を嫌う方もいらっしゃるだろうが、あえて私は「悪名」の素晴らしさを称えたい。
是非、何作目の作品でも良いので、ご覧になる事をお勧めする。