ダーリン三浦の愛の花園

音楽や映画など徒然なるままに書いてゆきます。

明日のためにその385-8トラ

2019年09月18日 | オーディオ
時代の生んだ偉大なる産物

8トラックテープと言うものが、かって存在した。
第一次全盛期は昭和40年代。それまで、車に存在していた音源は「ラジオ」しかなかった。そこに現れたのが「8トラックテープデッキ」である。
この8トラックテープは、今までラジオしか聴くことのできなかった車内に、自分の好きな音楽を聴くことができる、革命的な発明であった。
ちょうど文庫本サイズ、厚さ2㎝の8トラックテープは、4チャンネル、ステレオの音源を収録できた。
当時のいけてる若者たちはこぞってこのデッキを装備していた。
そして第二の全盛期は昭和50年代中盤、カラオケの演奏用のテープとして用いられていた。
音楽の頭出しが簡単なことで、世のスナックには8トラックテープの、カラオケ機器がどの店にも設置されていた。
やがて昭和60年代ともなると、レーザーディスクカラオケの台頭で、8トラックテープは徐々に消えて行く。
そして現在、8トラックテープや、それを再生するデッキも全く見なくなってしまった。
しかし、私は昔から密かにこの「8トラックテープ」を集めていた。正確に言うと今でも集めている。
きっかけは30年以上前の、ある中古レコードフェアでのこと、私が中古レコードのエサ箱を一通り漁った後、ふとそばのワゴンを見ると、カセットのミュージックテープが安価で販売されていた。
その中に8トラックテープも販売していたのだ。
私自身8トラックテープの存在は知っていたが、カラオケの物ばかりで、ミュージックテープとしてのそれは初めて見た。
勿論8トラックテープを買うつもりなどなく、何本か冷やかし程度で見ていたのだが、どうしても欲しくなる内容の物を目にしてしまった。
私は焦った、再生する装置が無いのに、そのテープを買うかどうか。
さんざん迷った挙句、8トラックテープを手に、会計に向かっている私があった。
その後、ジャンク屋で見つけた8トラックテープデッキが、奇跡的に動き、私の8トラックテープ収集は、俄然勢いを増すことになった。
中古レコードフェアは勿論、デパートから様々な所へ出向き取集に熱を上げた。会社の先輩へもお願いし、古いテープを譲ってもらったこともある。
現在その収蔵数は100本を超える。
「こんなデジタル時代に8トラックテープなんて」と侮ることなかれ。
数年前から8トラックテープは、密かなブームを呼んでいる。
数年前、ヤフオクに出品されたビートルズの8トラックテープ「リボルバー」は、なんと60万円という高値で落札されている。
今もヤフオクで、8トラックテープを検索していただきたい、一本1000円程度から上は何万円と言うものまで出品されている。
何故数年ほど前から、このような状態になったのかは私にも分からない。

私は数年ほど前にアメリカのeBayで、日本のアカイ製の8トラックテープデッキを購入し、今も楽しんでいる。
ガラガラとモーターの音をたてて、音楽を再生する様にはデジタルには感じられないヒューマンな名残を感じる。
それが私は好きだ。
私自身この趣味は、現代において、とても贅沢な趣味だと思っている。


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