普段は青首大根をスーパーマーケットとかで購入しているのだけれど、煮た大根を食べたいときは、中太に限る。
しかしながら、この中太がなかなか売っていない。
そもそも中太大根を知らない人のために簡単に説明しよう。
三浦大根、練馬大根と言われるちょっと昔の品種がこれに相当する。
一般的な青首大根と比較すると、重量は3~4倍。長さは1.5倍くらいだ。
青首大根は、葉っぱに近い方が緑色がかった皮なのに対して、中太は真っ白なままだ。
そして形に特徴があり、青首大根は一般に総太(そうぶとり)と言われ、根っこの方から葉っぱの付け根まで比較的太さが変わらない。
しかしながら、中太は根っこと葉っぱの付け根は青首大根とほとんど変わらない太さだが、真ん中辺りが、2倍近い直径を持つ。
いわば、ビール樽のように真ん中だけやけに太いのだ。
重さも、長さも大きく、しかも形が段ボール箱に詰めにくいため輸送コストもかかる。
こうした効率の悪さや核家族化から戦後、主流になれなかった品種なのだ。
今でも農産物直売所などで時々目にすることはあっても、スーパーマーケットではほとんど出会えない。
ところが、私、子どもの頃からこの中太大根の煮物が大好きだ。
まず、大根自体が柔らかく、味がしみやすい。
青首大根よりも味がしみやすいのだ。
できることなら、この大根を厚さ10センチくらいの輪切りにしておでんにしたら最高なのだけれど、さすがにそれを作ることができる鍋がない。
それに結婚してすぐの頃に厚さ8センチくらいの大根のおでんを作ったら、MIFさんに「俺、大根以外も食べたいからもっと小さく切ってくれ」と言われた。
妥協してこの厚さだったのだけれど、そうか、これは私が悪かったと反省した。
以降、厚さはだんだん薄くなり、輪切りもやめた。
今では厚さ4センチ、半月か銀杏切りにまで切ることにした。
その方が味がしみやすいしね。
実家にいたときは、だいたい2日がかりで大根を煮込んでおでんを作っていたので、それはそれは美味しかった。
母に聞いたら、今はそんなに手をかけずに、やはり小さく切っているそうだ。
小さいといっても、やはり一般的な家庭に比べれば大きいのだろう。
さて、今夜はおでんだ。
大根は半分くらい使った。
あとの残りは、ぶり大根にするんだ。
これもおいしい。
私はこの大根を煮物にするのが好きなのだが、サラダやゆず大根のような即席漬けにしてもおいしい。
万能選手と言っていいほど重宝する。
このような品種が市場からほぼ駆逐されてしまっているが、細々とでもいいので次世代に残してほしいものだ。
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