人気ミステリー作家の伊坂幸太郎さんの最新刊の単行本「逆ソクラテス」を何回か読みました。
この単行本「逆ソクラテス」は、集英社が2020年4月30日に発行したものです。
人気ミステリー作家の伊坂幸太郎さんの最新刊なので、東京都内の大型書店では、5月には平積みされて、目立つ場所に置かれていました。
この単行本「逆ソクラテス」は5編の短編で構成されています。この内の「非オプティプス」などの3編は書き下ろしです。この書き下ろし3編にまず感心しました。
この単行本の表題になった「逆ソクラテス」は、権威的な小学校教師の担任の久留米をぎゃふんといわせる物語です。担任の久留米は“絶対的に正しい存在”として振る舞っていました。
小学生の個性や意見を軽視している権威主義あるいはあまり何も考えていない担任の久留米は優等生の子を盲目的にかわいがり、成績のよくない小学生を大人として高圧的に見下す大人です。
主人公の加賀は、担任の久留米が草壁という平凡な子どもを見下して接することに不満を感じていました。単純にものごとを決め付けて、それを小学生に押しつけていました。
この「逆ソクラテス」という題名は、ギリシャの哲学者だったソクラテスは「自分は何も知らない」という非権威主義者として、何でも疑って考えたということから、権威主義の担任の久留米は非ソクラテスだという意味です。
主人公たちは、成績が普通の草壁に、チームプレーでテストの回答を密かに渡して高得点を採らせます。この時には、優等生の美女の同級生も協力します。そして、このチームプレーは安斎という個性的な子どもが計画し、実行します。
話は進んで、プロ野球選手が、この小学校にやって来て、草壁のプレーを見学します。
担任の久留米は「草壁は平凡な選手」と決めつけています。しかし、プロ野球選手は「草壁は野球の才能がある」と評価します。
時間は進んで、この草壁はプロ野球の選手として、渋い守備の名手になっていることを、主人公はテレビ観戦しています。才能が確かにあったようです。
この短編の物語の進行役の主人公は、小学校、中学校、高校、大学と進むと、次第に平凡な成績の学生になり、ごく平凡な社会人になったと書かれています。なかなか意味深な結果です。
また、個性的だった小学生の安斎も小学校をすぐに転校し、行方不明になります。
この当たりの落ちが意味不明です。でも現実社会とはこんなものです。
この短編「逆ソクラテス」を読み、小学校時代の同級生の変遷をいろいろと考えました。なかなか複雑な思いです。
この「逆ソクラテス」は、文体がミステリー風ではなく純文学風になっています。ここがやや不満なところです。伊坂幸太郎さんの文体は変わるのかどうかが一番、気になっています。
この単行本「逆ソクラテス」は、集英社が2020年4月30日に発行したものです。
人気ミステリー作家の伊坂幸太郎さんの最新刊なので、東京都内の大型書店では、5月には平積みされて、目立つ場所に置かれていました。
この単行本「逆ソクラテス」は5編の短編で構成されています。この内の「非オプティプス」などの3編は書き下ろしです。この書き下ろし3編にまず感心しました。
この単行本の表題になった「逆ソクラテス」は、権威的な小学校教師の担任の久留米をぎゃふんといわせる物語です。担任の久留米は“絶対的に正しい存在”として振る舞っていました。
小学生の個性や意見を軽視している権威主義あるいはあまり何も考えていない担任の久留米は優等生の子を盲目的にかわいがり、成績のよくない小学生を大人として高圧的に見下す大人です。
主人公の加賀は、担任の久留米が草壁という平凡な子どもを見下して接することに不満を感じていました。単純にものごとを決め付けて、それを小学生に押しつけていました。
この「逆ソクラテス」という題名は、ギリシャの哲学者だったソクラテスは「自分は何も知らない」という非権威主義者として、何でも疑って考えたということから、権威主義の担任の久留米は非ソクラテスだという意味です。
主人公たちは、成績が普通の草壁に、チームプレーでテストの回答を密かに渡して高得点を採らせます。この時には、優等生の美女の同級生も協力します。そして、このチームプレーは安斎という個性的な子どもが計画し、実行します。
話は進んで、プロ野球選手が、この小学校にやって来て、草壁のプレーを見学します。
担任の久留米は「草壁は平凡な選手」と決めつけています。しかし、プロ野球選手は「草壁は野球の才能がある」と評価します。
時間は進んで、この草壁はプロ野球の選手として、渋い守備の名手になっていることを、主人公はテレビ観戦しています。才能が確かにあったようです。
この短編の物語の進行役の主人公は、小学校、中学校、高校、大学と進むと、次第に平凡な成績の学生になり、ごく平凡な社会人になったと書かれています。なかなか意味深な結果です。
また、個性的だった小学生の安斎も小学校をすぐに転校し、行方不明になります。
この当たりの落ちが意味不明です。でも現実社会とはこんなものです。
この短編「逆ソクラテス」を読み、小学校時代の同級生の変遷をいろいろと考えました。なかなか複雑な思いです。
この「逆ソクラテス」は、文体がミステリー風ではなく純文学風になっています。ここがやや不満なところです。伊坂幸太郎さんの文体は変わるのかどうかが一番、気になっています。