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4次楕円曲線

2017-07-13 18:51:06 | 数学

 楕円曲線といえばWeierstrassの標準形の

   

もしくは

  

の形で通常扱われるが、4次の楕円曲線もあるようだ。

 

 タクシー数(その7)で4次の楕円曲線

  

が出てきたので、3次と4次の楕円曲線はどのような関係にあるのか少し調べてみた。

 

 結論から言うと、有理点を有する4次楕円曲線は、双有理変換でWeierstrass標準形に変換できる。

例えば、インターネットで見られる”Elliptic Curve Handbook, Ian Connell, February,1999”

のP105に出ている。これを追ってみると、

 有理点(μ, ν)=(p,q)を持つ4次楕円曲線はμをμ+pに置き換えて

  

としてよい。このとき、Weierstrass標準形への変換は、

  

ここで、 

とするとき、、Weierstrass標準形を満たす。

逆変換は

  

で与えられる。

 このとき、  は,   に変換される。

これをタクシー数(その7)で出てきた4次楕円曲線に適用すると以下のとおりである。

 

ひとつずつ追ってみると

 

➀ 

もともとの4次楕円曲線は有理点(1,36)を持つので、x座標が0となるようにした。

② 

上記のWeierstrass標準形への変換

 に注意すればよい。

③  

xの2乗の係数が0となるWeierstrassの標準形への変換

 

である。

の変換で、有理点(1,36)→無限遠点 、(-35,29052)→(2920,145376)となる。

Weierstrassの標準形の楕円曲線の場合は、オープンソースの数式処理システムsageにより、

簡単に有理点が求められる。Sageの処理結果によると、3次曲線の有理点のなする群は

ZxZxZ/2Z であり、P1,P2をZxZの、TをZ/2Zの生成元とすると

 P1=(-308, 9568), P2=(1720,52624), T=(-216,0) 

である。Sageで絶対値の小さなl,m,nについて、3次曲線の有理点を求め、上の変換式を用いて

4次曲線の有理点に変換し、そこからタクシー数(その7)の方法で6乗数と3乗数の和で2通りに

表せる数を求めてみた。その結果は下表のとおりである。

 

すべて6乗数と3乗数がすべて自然数の組み合わせは3つのみであった(黄色で網掛け)。

なかなか、そのような組み合わせを作るのは難しいかもしれない。なお、これらの

数値の計算には、CoCalc (SageMathCloud) http://www.sagemath.org/ を用いた。


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