1729は2通りの立方数の和であらわされる最小の自然数であるが、これを拡張してn通りの立方数の和であらわされる最小の自然数をn番目のタクシー数といい、Ta(n) とあらわすらしい。つまりTa(2)=1729である。
以前のブログで、2通りの立方数の和であらわさせる数を生成する2変数多項式を示したが、同様のことを3通りでできないか考えてみた。そこで、まず、ラマヌジャンの師?であるハーディによるTa(n) の存在証明を振り返ることにした。なかなか見事な証明であった。
――――Ta(n)の存在の証明の概略ーーーー
とおけば
である。
また、
とおけば
したがって、
とおけば
である。
ここでをに置き換え、同様の操作を続ければ
となる。ここでうまくをとればをすべて異なる有理数の組とすることができる。
これらの数の分母を最小公倍数で掛ければ、n通りの立方数の和であらわされる数が存在することがわかる。
ーーーーーーTa(n) の存在証明の概略(終わり)---
この方法で具体的に、3通りの立方数であらわされる数を求めてみようと試みた。
とおくと、
また、
とおくと
この時、 であれば、 ともに正数である。
今、Mを2通りの立方数の和であらわされる数とする。つまり、
である。
とおくと
これをNとおく。
また、
であるので
とおくと
つまり、 は
となり、3通りの立方数の和として表わされることになる(もちろん、これらの数が相異なることを示す必要はある)。
以前のブログ「タクシー数」で記したように2通りの立方数で表わせる数を2つの自然数でパラメトライズできるので、3通りの立方数の和もパラメトライズすることができそうである。しかし、あまり簡単な形に表せそうもないので、ここに記すのはやめる。
一番簡単なTa(2) の場合、つまり1729をもちいて上の計算を行ってみる。
これから3通りの立方数を計算すると
より
であり、上の素因数分解の結果よりこれらが共通因子を有さないことがわかる。
一方、であるので、上に述べた方法で3通りの立方数の和としてあらわされる数を求めると巨大な数になりすぎる。これはあまり良い方法とは言えないようである。
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