(前回の続き)
横になって入り鯉を引き上げて,マットの上にのせるのですが,マットまでの距離があり,水から引き揚げてて,砂場に横にするために,鰓に左手の指をひっかけ,錘の所を右手で持った瞬間に,鯉が反転して,その瞬間にレッドコアラインが錘の所で切れてしまい,鯉は水の中に腹を着いた状態から,勢いよく水中へ.
右手には切れたレッドコアラインが.....
色々あるのが,水月湖で,一昨年でそのいろいろも出尽くした感があり,昨年は,割と確実に取り込むことができましたが,今回は新たなパターンでバラしてしまいました.さすがに,これ以上ここで釣りを続ける気持ちにはなれないというか,気持ちを整理するために,ゆっくりと納竿の準備を始めます.風でネットは飛ばされ,取り込んだと思っ大型の鯉には逃げられるは,矢折れ,刀尽きた状態です.こんな状況では帰りの道中で事故に遭うことになりかねない気分です.
少しづつ空も明るくなってきたので,濡れたタックルを乾かしたり,荷物を整理するために,駐車スペースのある場所に移動して,整理をすることにします.この時は,これから更なるドラマが始まるとは想像もしていません.
移動したところでは,漁協の人が,ワカサギの人工ふ化の作業をされています.
車から荷物を出して,整理をしながら湖面を眺めていると,少し右横で大きな尾びれを見せて,鯉がもじるのが目撃されます.まだ,帰る時間まで数時間あるので,少し様子を見てみようと,鯉のもじった付近に竿をセットします.せっかくだから,反対側の左端の方へも竿をセットします.漁協の人はすぐに帰られ,時間的にも昼時なので,ゆっくり昼飯を食べながら気持ちと荷物の整理を始めます.昼飯は冷凍のナポリタンを電子レンジで「チン」するだけです.食べ始めたのが,竿をセットしてから30分くらいでしょうか.
突然,もじったところに打ってある竿からのバイトアラームの音にびっくり!昼めし食わずに,泡喰った状態です.今度は予備のネットを持って釣り座に急ぐことになります.こんな時こそ冷静な対応がと肝に銘じてのやり取り開始です.幸い沖に走り出すのではなく岸沿いに右手に走るだけなので,落ち着いてやり取りできます.今回はネットも足元にあり,10分ほどのやり取りで,確実にネットイン.
93㎝の良型です.見ての通り,重量級です.重さは15㎏超あります.
重量を測って,鯉をマットに包んだ状態で下ろしたとき,50mほど離して打ってあった竿に当りを知らせるバイトアラーム音! さっきのアタリからまだ15分くらいです.
取りあえず,今検量したマットに包まれた鯉に水をかけて,マットに包んでおいて,ネットを持って反対側の竿の所に急ぎます.横から見ても道糸が出ているのが確認できます.竿を持つとズシリとトルクを感じさせる引きです.沖に向かって走っていますが,ここからが水月湖は油断できないのです.
写真のように湖に沈んでいる木の枝などには,藤壺がびっしりと付いているので,これに道糸が擦れると
写真のように,ささくれ立つか,一発で切れてしまいます.
しかし,竿から伝わってくる手ごたえから,道糸が木の枝かロープのようなものに擦れているのが分かります.この状態で強引なやり取りでは道糸がもちません.今回ヒットした竿の道糸はフロロの4号と細いので,細心の注意が求められます.鯉の引きに微かなテンションを掛けつつ,暴れさせないように竿で貯めて,リールのクイックドラッグの微調整で道糸の出し入れをしながらです.しばらくして,幸運にも掛から外れ,ゆっくり鯉が寄ってきます.水面近くに寄って来て,先程,バラした鯉と同じくらいの大きさです.ここで,バラすわけにはいきませんので,慎重にやり取りしながら,鯉を暴れさせることなくネットイン.やれやれです.
102㎝,19㎏の良型です.バラした鯉は悔やまれますが,何とか2本ゲットできたので,少しは留飲を下げることができます.
実はこの後もアタリが続いたのですが,道糸が掛りに擦れて2度ともラインブレイクでした.2時間で4回のアタリがあり,水月湖の予想外の展開に,今年も嬉しい悩みが続くのを期待したいものです.