数学教師の書斎

自分が一番落ち着く時間、それは書斎の椅子に座って、机に向かう一時です。

シャープペンシル

2020-06-17 16:45:04 | 万年筆とシャープペンシルとノート
 仕事柄、ノートにシャープペンシルで書くということが多く、その原稿をもとに、パソコンでTexを使って教材や原稿にするという作業をしていますが、必然的に、シャープペンシルとノートを使っている時間が多いと言えます。

 この10年以上使っているシャープペンシルを紹介します。
それが、写真の左に写っている「ぺんてる」のTUFF0.9です。芯の太さが0.9mmあるため滅多に折れません。また大きく書くので、図やグラフをフリーハンドで描く際にも便利です。このシャープペンシルとノート(大学ノート)の組み合わせが私の商売道具ともいえるものです。10年以上使っているこのシャープペンシルの一つの特徴は芯が太くて折れないことのほかに、消しゴムが写真のように長く、さらに十分に消しやすいのです。他のシャープペンシルの消しゴムはほとんど使い物にならない程度の付け足しのようなものですが、この消しゴムは十分に実用に耐えます。したがって、別途消しゴムが必要なく、便利です。5本まとめて買っておいて常にストックしてあります。とはいえ、耐久性もあり、生徒にも勧めてきました。また、使い慣れてくると、これを使って考えると数学の問題も解けるようになるそんな魔法のシャプペンシルになりつつあります。

 他にも、写真右にあるようなものを使っていますが、あくまでもサブ的な使い方です。値段も安く、5万円の万年筆より利用価値は圧倒的にこちらのシャープペンシルが上回っています。
 パソコンを使い始めてから、シャープペンシルとキーボードは使い慣れることで原稿や教材の出来具合を左右することを実感しつつありますが、使い慣れた道具は何においても大切ですね。

誰にも言えないこと

2020-06-17 14:43:44 | 数学 教育
 大人になって、結婚もして、子供もできて、社会人としてそれなりに生活を送っている中にあって、誰にも言えない、妻にも子供にも言えないことって、誰しも一つくらいはあるのではないでしょうか。

 先日、釣り仲間と話す中で、そういうことを仲間がふと漏らして、自分にもあることを悟らせてくれました。釣りと言っても、一般的な海釣りやバス釣りではなく、鯉釣りですが、全国的には珍しい釣りではありますが、非常に凝っている釣り人もあり、そんな釣り仲間と琵琶湖や余呉湖で月に何回か一緒に竿を出すことがあります。

 なかなか当たりはなく、1回の釣行で1回あたりがあれば十分で、3泊4日でも全くあたりが貰えないことも十分にありえます。そんな釣りですが、時間はたっぷりあるので、時には鯉釣り談義だけでなく、真面目な身の上話もします。

 私の場合の誰にも話せないことというと、大学で十分に、自分で納得できるまで勉強しなかったことです。適当に就職して、適当に実家に戻って、教員として過ごしてきた中で、いくら環境や仕事内容が変わっても、自分の心の中で公開と自己嫌悪を持ち続けていたその原因がそのことです。

 今から20年前に仕事も落ち着いて、子供も中学小学生になり、日常性の中に自分も埋没しかかっていたにもかかわらず、もうこれ以上年をとったら、年齢的には無理かなと思って、大学で2年間、数学研究をすることになりました。今では、そんな制度もなく、実現できませんが、当時はまだ今とは違って、恵まれていたのかもしれませんが、大学でも費用は自己負担ではあるものの、給料は保証されてのいわば、内地留学のようなものでした。もちろん、やってみたいことがその当時あり、その分野の専門家もその大学にはおられたので、教えを請いながらその先生の門を叩いたのでした。先生も忙しい中、研究室で受け入れていただき、2年間お世話になりました。

 実感したのは、思った以上に年齢からくる理解度の遅さや忘れることの多さでした。それを実感するたびに、またしても大学のときの不勉強を後悔するのでした。

 しかし、自分にとっては後悔しても始まらないので、読み始めた最初の論文が

この本の中にあるブッフバーガーの有名な基本的な論文でした。

基本的な論文なので、何回も舐めるように読んだ記憶があり、そのうち英語で読むことにも抵抗がなくなってきて、英語で理解ができるよになってきました。

 高校で数学を教えると言っても、高校生と同じレベルの理解度では教えていては話にならないので、いかに日常性の中で意識して自分が勉強するかは、高校の教員としては忘れてはいけないことだと今も思っています。もちろん、予備校で教える中でもそれは同じことが言えると思います。

 この2年間の勉強では論文を書くということではなく、数学を高校生や予備校生に教える中で、教師としていかに勉強するか、その意識を持ち続けるエネルギーをもらった気がします。当時の研究室のS教授はすでに退官されまし他が、その研究室の大学院生の中から、今大学で数学者として立派に独り立ちして研究に教育に励まれています。



人と会う力

2020-06-17 08:29:13 | 読書
 最近、意識的に人と会うようにしている。仕事の関係で、予備校で教えていると、職場では、挨拶する程度の同僚教員との会話も少なく、1年を振り返っても、この1年間で、職場の教員で、まだ名前すら知らない、話もしたことのない講師もいるくらい。

 仕事が変わって、1年、電車で通勤するため、これまでの車通勤と違って、人はよく見るが、話す機会は減ったかな。無駄話をすることも減ったが。

 転勤で、学校が変わった時もあったが、同じ教員だという関係で、物理的な距離も変わらず、それまでの人間関係とも大きな差異はなく、過ごしてきたが。三重県から名古屋という地での転勤、それも高校教師から予備校教師への転身でもあり、人間関係の変化も大きくなった。とはいえ、60歳を過ぎて、今更感もありで1年を過ごしてきたものの、こういう機会に新たに連絡を取ることで、疎遠になっていた関係から新たな関係ができることもあると考え、何人かに挨拶代わりに連絡を取ることに。

 学校時代によく情報交換をしていただいた予備校の営業担当のTさん。今年から単身赴任で大阪に転勤とか。そういえば、2年ほど前に転勤があるかとも話していたことを思い出す。滋賀県が担当らしく、私の教え子が滋賀にいるので、一度是非と話す。これを機会にとその教え子にも連絡を取ると、懐かしく話しが弾み、これを機会に、教え子にも何人か連絡を取ることに。皆今は仕事も最前線で忙しく頑張っているようで、また是非会いたいとの言葉になんだか力をもらう感じです。連絡する前には、少し力が入る感じですが、それは心の扉を開ける力かもしれない。

 そんな今の時期に、たまたま予備校の近くのジュンク堂で買ったのが、

著者の岡崎武志さんは僕より3つほど年下の作家?です。ここには、人に会うという関係性の中での自らの成長や生き方への仕事へのインパクトというか、原動力になるものを教えてくれています。何度も読み返したくなる本というよりは、辞書のように読んでしまう感じもある、そんな本。この人は京都の立命館大学だったので、京都のどこかで学生時代、すれ違っていたかも。本の中には、懐かしい喫茶店の名前も。シアンクレールという喫茶店、今はもうなくなってる。人の書いたものだと昔の感じがするけど、自分の中でも思い出として、つい最近のような感じです。そんな話ができる人も少なくなってきたような気がする。でも本の中では、すぐに打ち解けて話が聞けるそんな青春の思い出かな。