数学教師の書斎

自分が一番落ち着く時間、それは書斎の椅子に座って、机に向かう一時です。

万年筆の手入れは

2021-12-22 09:41:15 | 万年筆とシャープペンシルとノート
 万年筆の手入れは、毎日使うことだと、どこかの本にも書いてあった記憶がありますが、日頃なかなか手入れが行き届かないのが現状です。パソコンで書いたりすることが多くなったことが一番の原因かもしれませんが、本を読みながら、万年筆で書き留めておくことで、ゆっくり本が読めるので、この所、数学の本を読みながらノートに書き留めております。数学書は紙と鉛筆を使いながら読むものですが、その際に万年筆を使おうというのが今の私です。

 さて、万年筆を初めて持ったのは、確か中学に入った時でした。なぜか多くの同級生は入学記念ということで、万年筆を親から買ってもらったようでした。大抵は、1000円から2000円くらいのものでしたが、私の時代ではノック式の確かパイロットの万年筆が発売された頃だったかと思いますが、私はどんな万年筆を買ったもらったのかは、もう覚えていないのですが、今でも持っている一番古い万年筆は高校一年のときに買ったセイラーの万年筆です。
 
 もう買ってから五十年になるのですね。今日も使いましたが、18金なので柔らかく滑らかにかけます。この万年筆を見ると、なぜか高1の時、好意を持っていた女の子を思い出します。英語の時、何回か、私の後ろの席の時、背中をペンでつっついて、質問してきた女の子です。高校時代もときには真面目な話もできる数少ない女の子でした。大学時代も、彼女は同志社へ行ったので、同じ京都だったこともあり、結局、彼女が結婚するまで、たまに会って話をするいい友達でした。今は、どうしているのかは知るすべもありませんが、この万年筆の文字には自分の淡い青春が滲んでいるかもしれません。

 手入れを兼ねて、今日もノートに書きながら使ったのは、

です。右はペリカンのM800スーベレーンの剣先はFです。先のセイラーの万年筆と同じような、滑らかな書き味が好きです。モンブランはぼってりとした書き味は味わいがあるのですが、文字にキレがないのが後で読みにくい感じが私には感じられてしまいます。

 左は、KAWECOというドイツの万年筆で、昔、東京の上野のアメ横で万年筆を物色していて、店の人に勧められて買ったもので、ペンはスチール製ですが、なかなか自分にはマッチして書きやすいです。もう一本同じのがあったのですが、壊れてしまいました。

 この3本は書きやすいので、使う頻度も高くなります。また、なぜか綺麗な文字になるのも好きな要因です。ノートに書くのは、後で読むときに読みやすいことも大切なので、モンブランの文字は味わいはあるものの、ノートに書くとどうも読みにくく感じるのは、私だけでしょうか。

 数学の本を読みながらノートに写していくと、じっくり理解できるとともに、省略できるところは飛ばして書いていき、結局は理解が早くなる気がします。ノートの原稿がいつくかたまってくっると、それをまとめてTexで原稿にまとめていきます。そしてそれらを連結して、あるテーマで書いてみるという、そんな作業をしています。
 疲れてきたり、気分転換には万年筆を変えて、インクを変えて、またノートに書き始めると新鮮な気持ちになれます。万年筆からパソコンのTexに変えることでも気持ちの切り替えもできます。そんなことをしながら、また本を探しながら、ページをめくっていくと、興味をそそる内容に出くわすことが、また一つの楽しみにもなります。

朝から万年筆のインク漏れ?

2021-12-08 10:08:58 | 万年筆とシャープペンシルとノート
 何となく、久しぶりにペリカンのスーベレーン800の緑縞を取り出して、ノーチに書き始めようとした時、インク漏れか手にインクがついて、
困りました。手についたインクはなかなか除去できなくて、写真のように指先が青くなってしまいます。石鹸をつけて洗っても少ししか右側ならない感じで、朝から気持ちがブルーです。

 このペリカン800は20年以上前に、一時期万年筆の興味を持った頃に大枚をはたいて買った記憶があります。田舎では売っていなくて、東京へ行った際に丸善で実物を見たものの、丸善は定価販売なので、上野のアメ横で買った記憶があります。その後も東京へ行く際には丸の内の丸善と上野のアメ横での万年筆の渉猟は東京でのルーチーンの一つです。一時期、「趣味の文具箱」という綺麗な雑誌を購読していたことも、その雑誌を本棚に並んでいるのを目にすると思いますくらいですが。

 最初の頃のブログにも万年筆のことを書きましたが、最近は書いていなくて、それは、実際に、万年筆を使っていないことに起因しています。普段ノートを使って数学の問題を解いたりしながら文字を書いたり計算したりしています。ノートは写真のツバメノートの50枚のノートを使っています。使い切ると100ページ書いたことになり、ひとつの目安になるからです。今本棚にはこれは30冊ほどありますが、自分の思考の痕跡とも言えます。普段、ノートではシャープペンシルを使って書いていますが、使ってるのはぺんてるのTUFF0.9です。芯が0.9mmなので折れにくく、よく消せる消しゴムも付いていて、もう20年ほど使い続けています。

 このノートを基にして、パソコンでTexを使って原稿にするという手順なので、必然的に万年筆は使う頻度が少ないのですが、時たま、手帳などでは意識的に万年筆を使うようにしています。

 ペリマンの800ではFを使っていますが、日本語を書くには、私にはちょうど良い太さになります。このペリカンの800は、手に持った重量感がそのままペン先に伝わる感じで、しっくりと手に馴染む感覚が好きです。これで日本語を書くと丁寧に綺麗に書けるようになります。

 一方、モンブランではこんな感覚とは違います。
 

モンブランの中でもよく使うのが146で、ペリカンのようなしっくり感ではなく、だらーっとした感覚で、それはペン先が引っかからないからか、日本語を書く時でも、少し崩して書く際に味が出る感じです。後でそれを読むとなんとなく味のある文字に見えるのは私だけでしょうか。

 皆さんは、どんな時、どんな紙(ノート)に書く時に万年筆を使い分けておられるのでしょうか。あるいは、常に1つの万年筆を使われているのでしょうか。

 やはり万年筆を握って、文字を書いていると、何となく心も落ち着いてきます。そんな師走の朝です。



シャープペンシル

2020-06-17 16:45:04 | 万年筆とシャープペンシルとノート
 仕事柄、ノートにシャープペンシルで書くということが多く、その原稿をもとに、パソコンでTexを使って教材や原稿にするという作業をしていますが、必然的に、シャープペンシルとノートを使っている時間が多いと言えます。

 この10年以上使っているシャープペンシルを紹介します。
それが、写真の左に写っている「ぺんてる」のTUFF0.9です。芯の太さが0.9mmあるため滅多に折れません。また大きく書くので、図やグラフをフリーハンドで描く際にも便利です。このシャープペンシルとノート(大学ノート)の組み合わせが私の商売道具ともいえるものです。10年以上使っているこのシャープペンシルの一つの特徴は芯が太くて折れないことのほかに、消しゴムが写真のように長く、さらに十分に消しやすいのです。他のシャープペンシルの消しゴムはほとんど使い物にならない程度の付け足しのようなものですが、この消しゴムは十分に実用に耐えます。したがって、別途消しゴムが必要なく、便利です。5本まとめて買っておいて常にストックしてあります。とはいえ、耐久性もあり、生徒にも勧めてきました。また、使い慣れてくると、これを使って考えると数学の問題も解けるようになるそんな魔法のシャプペンシルになりつつあります。

 他にも、写真右にあるようなものを使っていますが、あくまでもサブ的な使い方です。値段も安く、5万円の万年筆より利用価値は圧倒的にこちらのシャープペンシルが上回っています。
 パソコンを使い始めてから、シャープペンシルとキーボードは使い慣れることで原稿や教材の出来具合を左右することを実感しつつありますが、使い慣れた道具は何においても大切ですね。

私の万年筆の変遷

2020-03-02 09:25:23 | 万年筆とシャープペンシルとノート
 書斎の机の上には、万年筆もあります。趣味やコレクターというほど熱を入れているわけでもありませんが、いま手元には、10数本があります。

高校1年から使っている万年筆。
 高校1年の時、英語の筆記体を万年筆で書くと綺麗書ける気がして。英語の和訳や英作文を授業中添削するのに使っていました。後ろの席の女の子からよく質問された記憶とともに、印象深い万年筆です。もう50年も昔ですね。

大学1回生の時買った万年筆。関西では、1年生ではなく、1回生と呼んでいました。今でもそうですかね。

 大学に入って、なんだか大人になった気分で、友人も買っていたので、同じパーカーの万年筆を大学の生協で入学当初に買った記憶があります。あの頃が一番良かった時代かもしれないですね。入学式は、体育館が占拠されていて、中止になりました。今はコロナウイルスで中止ですが。

その後、万年筆とは縁がなく、高校の数学教師になり、しばらくして、ある進学高校へ転勤して、そこで、使い始めた万年筆。
確か、その数年前、卓球の指導者研修で中国へ行く時に、空港の免税店で買った記憶がこの原稿を書きながら思い浮かんできました。その進学高校では、よく質問に来る生徒がいて、その生徒の質問に答えるためにも、問題集の授業ではやらない難しい問題も解いておくっ必要があり、その時にこのモンブランの145(?)を使いながら、解いていた記憶があります。その時にかなり使い込んだので、ペン先が自分の癖に沿った減り方をして、書きやすくなっています。その後、万年筆を趣味にしていた先生に影響を受けて、モンブランの同じものと、146を買いました。
 実は、146はもう一本買ったのですが、どうもどこかへ置き忘れて、紛失してしまいました。口惜しくて、誰にも話せていません。

 その後はまた使う機会がなく、眠っていたのではないでしょうか。そして50代になり、管理職になって、手帳やスケジュール帳を使うことが多くなり、モーレスキンの手帳を使い始め、その時点から、また万年筆を使い始め、何本か買い始めました。

 特にその時点からインクにも少し凝りだして、モーレスキンの手帳の紙に滲まないインクということで、セーラーの極黒というインクを使い始めました。モーレスキンの手帳と極黒という顔料インクとの組み合わせに使った万年筆が、ラミー(右2本)とカヴェコ(左2本)の万年筆です。
 どちらもペンの太さは中字で、スチールペンの廉価品ですが、意外と書きやすく、顔料インクを使うので高級万年筆のペン先が詰まってしまうと困るとの思いから、この万年筆を使いました。たまたま東京へ行った際に、アメ横で安く手に入ることがわかったので、その後東京へ行く際には必ずアメ横で万年筆を渉猟するという癖がついてしまいました。

その後ペリカンも良いぞという声を聞いて、買ったのが、スーベレーン800の緑縞です。

確かにこのスーベレーン800のペン先の柔らかいタッチは他にない感覚で、なぜか綺麗な文字が書けます。

 現在は、モーレスキンの手帳にはカヴェコかラミーをインク極黒で使い、日記帳にはまずペリカンを使い、モンブランも使うことでメンテナンスをするということで使う程度です。

 最後に、日本製の万年筆も日本語を書くには最適だろうとの思いから買ったのが、プラチナの3776です。

 何かの雑誌かで、日本語を書くには日本製が良いという記事を読んだ結果です。確かに値段からしても外国性より日本製の方が製品の質は良いように感じます。

 他にあまり使わないのですが一応持っているのが以下です。
 左が、教え子とのクラス会で教え子からもらったセーラーの万年筆、真ん中Watermanのインクを使ってみたいと思い買ったWatermanの廉価版の万年筆、そして右側がパーカーの5th世代の筆記具と言われて買った、一応万年筆に近いペンです。

 以上が今の私の万年筆ですが、基本的には原稿はパソコン上で書くので、万年筆を使うのは、日記を書いたり、手帳に記入したりしながら書き味を味わいながら、それと同時に万年筆の書き味を味わうことで気持ちや思考の変化を自分で楽しんでいます。