自律神経活性療法(ゆどう術)の
薬を使わない富永しゅうかんです。
3か月以上続くのは自律神経が原因。
自律神経に起因する内容を書いてゆきます。
自律神経失調の回復中に「釣り」をお勧めします。
詳細に関してはメールにて。迅速返信します。
こんにちは、昨日はハゼ1匹。
著書「めまい・吐き気・不眠の治療」本文より抜粋・・・
S ・Kさんの例
66頁
三十九歳のS ・Kさんは、外国銀行に勤務しておられる関係上、海外勤務が多くて国際的な
為替管理、また、ドルや円の売買という目まぐるしい勤務状態の中におられたという。
家族と一緒の海外生活も五、六年経験しておられる。最近、日本に帰ってきてから、どこか
体調がおかしく、睡眠が不足がちで、気力も著しく鈍化してきたと訴えておられた。
最初、私の所へ六カ月程前にご相談に来られた。
S ・Kさんはご夫婦でみえられ、腰掛けてお話をするのがやっとということで、非常に具合
が悪そうにしておられた。お話を早々に済ませて、ベットに横になっていただいた。そして詳
しいことはベットに横になられた状態で、尋ねたことを覚えている。
そのとき、S oKさんは出勤はしているが何もできないと話された。勤務時間中、ただボー
ッとしていて、時間になると帰ってくるだけで、真剣に仕事をしなくてはいけないと思うのだ
が、どうも頭の中も体も動かないのですと説明された。
頭の中や体に異様な感じがつきまとって、日常の現実感からほど遠く隔っている感じで、自
67頁
分だけ別の世界に住んでいるような感覚だと話される。また、日の奥や体の右側半分が、あち
らこちら痛い。関節を動かしたときや背を曲げた状態になると普通ではない。
それに睡眠が十分にとれず熟睡感がなくて、手足の感覚もおかしい。自分の手足が、
どこの位置にあるのかよく分りにくい。手の力、歩く足にも力が入らなくてフワフヮしている
感じだという。動くものを見ると目がチラチラして、日の奥や頭の中がクラクラしてくる。
そして目の奥から首すじ、頭の内部の各部分がひきつったりすることが起こる。
耳鳴りがある。飛行機に乗ったり、新幹線でトンネルを通ったときのような異様な感じがあ
って、しかし、音はきこえている。
全身の筋肉がひきつったような硬直状態になって、これをほぐそうといろいろ体操をしてみ
てもよくならない。体を動かしてみるたびに何だか気分が悪くなってくる。
頭の回転も鈍くなった。記憶力が極端に衰えて、機転がきかないし、はつらつとした行動が
とれなくて、ちょっとしたことをしようと思っても臆劫でやる気が湧いてこない。
以前は、専門の新聞を読んでも、また、専門語や国際的な出来ごとがきちんと理解できて、
何にでも対応できたのに、いまでは活字を眺めているだけでよく理解できない。
ピンと勘が働いてこない。一日、 一カ月と過ぎていっても、そういうことの現実的感覚が
まるでなくて、何だか天国にいて雲の上から下界をのぞいているような、すべて自分の周り
のことが全く自分に関係がないように思えるのです、と諄々と体調の変化を話された。
私は、これまでにいろいろな治療機関に診てもらったか、どうか尋ねた。
S ・Kさんは、神経科や精神科の医師に診察してもらい、病名は聞いてないけれど抗欝剤を
服用していると……。
私は、S ・Kさんの体調の面から検査を始めてみた。血圧は百二十1七十、麻痺症状はなく
手は正常、足も正常であったが、多少むくんでいた。また、下の歯が非常に薄くて、端の方は
透明に近い。膝蓋腱反射は非常に克進しており、右側がピョンピョンとひどくあがる。
この膝蓋腱反射によって脳の働きが判断できる。肘の反射も同様。層が紫色に黒ずんでいた。
血管運動反射はちょっと少ないが正常、十二指腸潰瘍が軽度だがあるということ。
背中には痣が大きくできいる。顔色は土色で、何となくきつく、だるそうな感じの表情で
あった。私と会話をしている間も、横になりたい、もう話をするのをやめたい、
というような気だるそうな姿勢で、病状がかなり進行していることが観察できた。
S ・Kさんは…
続く・・・
富永修侃(しゅうかん)著書
・よくわかる自律神経失調症
・よくわかる心の病
他11冊
薬を使わない富永しゅうかんです。
3か月以上続くのは自律神経が原因。
自律神経に起因する内容を書いてゆきます。
自律神経失調の回復中に「釣り」をお勧めします。
詳細に関してはメールにて。迅速返信します。
こんにちは、昨日はハゼ1匹。
著書「めまい・吐き気・不眠の治療」本文より抜粋・・・
S ・Kさんの例
66頁
三十九歳のS ・Kさんは、外国銀行に勤務しておられる関係上、海外勤務が多くて国際的な
為替管理、また、ドルや円の売買という目まぐるしい勤務状態の中におられたという。
家族と一緒の海外生活も五、六年経験しておられる。最近、日本に帰ってきてから、どこか
体調がおかしく、睡眠が不足がちで、気力も著しく鈍化してきたと訴えておられた。
最初、私の所へ六カ月程前にご相談に来られた。
S ・Kさんはご夫婦でみえられ、腰掛けてお話をするのがやっとということで、非常に具合
が悪そうにしておられた。お話を早々に済ませて、ベットに横になっていただいた。そして詳
しいことはベットに横になられた状態で、尋ねたことを覚えている。
そのとき、S oKさんは出勤はしているが何もできないと話された。勤務時間中、ただボー
ッとしていて、時間になると帰ってくるだけで、真剣に仕事をしなくてはいけないと思うのだ
が、どうも頭の中も体も動かないのですと説明された。
頭の中や体に異様な感じがつきまとって、日常の現実感からほど遠く隔っている感じで、自
67頁
分だけ別の世界に住んでいるような感覚だと話される。また、日の奥や体の右側半分が、あち
らこちら痛い。関節を動かしたときや背を曲げた状態になると普通ではない。
それに睡眠が十分にとれず熟睡感がなくて、手足の感覚もおかしい。自分の手足が、
どこの位置にあるのかよく分りにくい。手の力、歩く足にも力が入らなくてフワフヮしている
感じだという。動くものを見ると目がチラチラして、日の奥や頭の中がクラクラしてくる。
そして目の奥から首すじ、頭の内部の各部分がひきつったりすることが起こる。
耳鳴りがある。飛行機に乗ったり、新幹線でトンネルを通ったときのような異様な感じがあ
って、しかし、音はきこえている。
全身の筋肉がひきつったような硬直状態になって、これをほぐそうといろいろ体操をしてみ
てもよくならない。体を動かしてみるたびに何だか気分が悪くなってくる。
頭の回転も鈍くなった。記憶力が極端に衰えて、機転がきかないし、はつらつとした行動が
とれなくて、ちょっとしたことをしようと思っても臆劫でやる気が湧いてこない。
以前は、専門の新聞を読んでも、また、専門語や国際的な出来ごとがきちんと理解できて、
何にでも対応できたのに、いまでは活字を眺めているだけでよく理解できない。
ピンと勘が働いてこない。一日、 一カ月と過ぎていっても、そういうことの現実的感覚が
まるでなくて、何だか天国にいて雲の上から下界をのぞいているような、すべて自分の周り
のことが全く自分に関係がないように思えるのです、と諄々と体調の変化を話された。
私は、これまでにいろいろな治療機関に診てもらったか、どうか尋ねた。
S ・Kさんは、神経科や精神科の医師に診察してもらい、病名は聞いてないけれど抗欝剤を
服用していると……。
私は、S ・Kさんの体調の面から検査を始めてみた。血圧は百二十1七十、麻痺症状はなく
手は正常、足も正常であったが、多少むくんでいた。また、下の歯が非常に薄くて、端の方は
透明に近い。膝蓋腱反射は非常に克進しており、右側がピョンピョンとひどくあがる。
この膝蓋腱反射によって脳の働きが判断できる。肘の反射も同様。層が紫色に黒ずんでいた。
血管運動反射はちょっと少ないが正常、十二指腸潰瘍が軽度だがあるということ。
背中には痣が大きくできいる。顔色は土色で、何となくきつく、だるそうな感じの表情で
あった。私と会話をしている間も、横になりたい、もう話をするのをやめたい、
というような気だるそうな姿勢で、病状がかなり進行していることが観察できた。
S ・Kさんは…
続く・・・
富永修侃(しゅうかん)著書
・よくわかる自律神経失調症
・よくわかる心の病
他11冊