「心の病」に対する無知がもたらす弊害

「心の病」に対する無知がもたらす弊害
占い、心霊業者の思うツボ
前述の〃魂・霊″を利用して、商売として考えている人々もある。
「心の病気」を患っている人、かかる素地をもっている人の場合、暗示にかかり易い特性を有してい
ることは前に述べた。
あなたに霊や魂が″とり憑いている″と言葉たくみに誘っては、本人の意志、意識でコントロールで
きない行動の原因や、異様な喋りかたになるのだと断言し、真実らしい小道具の心霊写真等を見せる。
さらに言葉が荘重な響きのある職業人、人気タレントまで動員して説得にかかっている例もある。
自分では″そんなことはない″と否定していても、いつのまにか″何だか、そんな気がしてきた″と
自ら暗示にかかってしまうのである。
自分にとり憑いて悪さをしている魂や霊をとり除くことによって、この苦しみから逃れられると、しだ
いに考えかたが変わってくる。
そして、何処かに悪霊をとり除いてくれる所か、特殊な能力を備えた人はいないかと見回すことにな
る。通勤電車の窓ガラスや歩道橋の柱、交叉点の電柱の貼紙についフラフラと誘われてしまうのである。
どんな広告をしても、罰せられない
こうした所は医療機関ではないから、広告を制限する法律は適用されていない。
このために、ドギツイ表現で、デカデカと誇大に書いてある。
曰く「心の悩みを解決します―― ドキドキ、アガリ、赤面、どもり、事故に遭いやすい、家庭不仲、
浮気、難病、等々……」
格言にもある″悪貨は良貨を駆逐する″の指摘どおりである。200頁

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