バイク・キャンプ・ツーリング

NERIMA爺、遅咲きバイクで人生救われる

1997年10月8日 四国ツーリング(4日目)

2024年12月29日 | 1997年 四国ツーリングから帰郷
10月8日(水)
 檮原(ライダーズイン雲の上・バッテリー上がり)~四国カルスト~石槌スカイライン~瓶ヶ森林道~高知市内~物部村(ライダーズイン)  

 朝6時起床。ささっと荷造りして出発――と思いきや、セルモーターがむなしく回るだけ。一向にエンジンがかからない。ああ、くそくそと心の中で悪態をつくが、どうにもならない。バッテリー上がり。よほど、押しがけしようかと思ったが、荷物満載ではそれも無理。泣く泣く荷物をすべて下ろし、シート下からバッテリーを取り外す。電圧計(持参していた!)で計ってみると、12ボルト以下であきらかに電圧が足りない。

 持ってきた簡易型の充電器(これも持参!)で1時間ほど充電。その間に、隣の部屋のライダーがまず出発、それを皮切りに次々にライダーが出発していく。結局、1人取り残されたかっこうになり、バッテリーを再び装着して出発したのは9時過ぎ。
 セルを回しても、エンジンかかんなかったらどうしようかと、一瞬、緊張するがなんとかエンジン始動。一安心。せめて、今年の冬まで使っているバッテリーを保たせるつもりだったのに……。今日中には新しいバッテリーを手に入れるつもりで出発。

 四国カルストに向かう途中、梼原の千枚田に寄る。司馬遼太郎さんらはどの方角から千枚田を見て感激したのだろうかと、しばらくうろうろする。千枚田を向かい側から見ていた場所があるはずだが、わからない。あきらめて次に向かう。四国カルストと案内のある地図にはない林道――と言っても、普通の国道と変わらない――を登っていく。山並みがどこまでも続いていて絶景だ。四国カルストも、風は強いがなかなかいい。途中で駐車していたゼファー400を追い越す。

 四国カルストはいい!
 石鎚スカイラインにいくために、440号腺を下るが、道路工事の看板。1時間に10分くらいしか通行できないようだ。昼時だけは連続一時間くらい通行できるとある。時間を見ると、どうやらその時間帯にかかりそうなので安心するが、それにしても道路工事が多い。なんとか国道33号に乗り、面河村に向かう。腹が減ってきたので、石槌スカイラインの入口で食事を摂る。けれどここの定食はひどかった。

 値段は忘れたが、すべてが高いので一番安い日替わり定食にしたのだが、まともなおかずがない。メシに、ミソをケチったとしか思えない薄い味噌汁。お新香。メインはカマボコを薄く切ったものが2、3切れ。それのみ。それで700円。川のすぐ近くなのだから、せめて川魚の甘露煮1匹――いやいや、メザシでもよかった。せめて、生タマゴの1個くらいは付けてほしかった。こんなひどい値段の定食は初めての経験だ。ホントに、おせったいの土地なのか。ただ、給仕をするおじさんの愛想だけはいい。すこぶる納得いかないままに、お茶をがぶ飲みしてそこを後にする。

 気を取り直して出発。山に登るにしたがって、ようやく気分が晴れてくる。景色はいい。スカイラインの突端まできて、いよいよ、今回のツーリングで一番いきたかった瓶ヶ森林道に突入。山の尾根を走るようなその眺望に、何回もバイクを停める。砕けた小石がびっしり撒いてあるので、車は平気かもしれないが、タイヤが滑るのでオンロードにはちょっときつい。これなら普通のダートのほうが走りやすい。
 それでもなんとか林道クリア。寒風山トンネル横にでて、194号を高知市に向かって南下。これも素朴な道で気持ちがいい。

 高知市内では、ちょっと渋滞。ホンダのハンドブックを取りだして、はりまや橋近くのバイクショップを捜す。方向に自信がないので、近くにいた地元の人らしき作業員に訊いたりしてなんとか目星をつける。桂浜に向かう34号線を3、4キロ南下して目当てのショップにいくと、60代とおぼしきショップの人がスクーターをいじっている。訊くと、卸しをやっているところにいかないと、CB400のバッテリーはないとのこと。わざわざ高知のホンダショップの元締めをやっているとかいう、卸しをやっている店に電話で在庫確認をしてくれる。

「今からそっちにいくから、うちに卸す値段でやってあげてよ」
 ありがたい。さらに詳しい地図まで書いてもらう。
 はりまや橋の近くに向かってバイクを飛ばすと、教えてもらった卸し業者はすぐに見つかる。10分くらい待たされて、溶液と新品のバッテリーを手にいれる。だが思ったほど安くはなく、結局1万3000円近い値段。卸しの値段でというバイク屋のオヤジさんの言葉は効かなかったようだ。東京のバイクショップだと1万円もしない。まあ、これは仕方ない。

 渋滞の高知市内をちょっと走り、県道16号腺を小坂峠にいく。市内で信号待ちをしていると、うしろから土地のライダーに声をかけられる。
「Tシャツでナンバーが隠れて見えないよ。今日は白バイがやたらに多いから、気をつけたほうがいいよ」
「どうも、すみません」
「直してやるよ」と、交差点のど真ん中でバイクを降りようとする。
「ああ、自分でやりますから……。どうもありがとう」
 交差点を右折したところで、バイクを止めてTシャツを引き上げる。洗濯をしたタオルやTシャツを荷物を縛っているロープの挟んでいたのだ。そうすると5、6時間できれいに乾く。さっきのオフロードのライダーは直進していった。ありがとう!

 午後、4時過ぎ。途中の電話ボックスから、物部村のライダーズインに予約の電話。夕食らしいものは用意できないとのことで、途中で食べることにする。ところが物部村に向かう裏道の県道は、ほぼ山道。走っても走っても店らしいものはない。予定していた倍以上の時間がかかりそうで、ちょっと飛ばしたりする。

 それでも、ライダースインについたのは、まっ暗になった午後7時過ぎ。途中でオデンを売っている軽ワゴンの屋台にいき、何か腹に入れようとしたが、売り切れでがっくり。地元の人に物部村までどのくらいか訊いたりする。バイクを見てライダーズインに泊まるのだろうと訊かれ、その場所まで教えてもらう。国道沿いにあると言われホッとする。

 まっ暗な山道を走り心細くなったところで、ようやく家の明かりがぽつぽつと見えてくる。途中の小さな店で夕飯を調達。ようやくライダーハウスにつく。《雲の上》と違って、ここでは布団の貸し出しはない。板敷きの部屋に、持参のシェラフを敷いて寝るだけ。シャワーを浴びてから、ビールとパンで夕飯をすませて、ホールにいってビールを飲み継ぐ。

 夜の間、管理をまかされている60代くらいの男性と、インスタントラーメンを食っている若い男が2人。他にも3、4人泊まっているはずだが、部屋で休んでいるようだ。ゼファー1100で四国を1ヶ月以上回っているというらライダーとちょっと話すと、京都の人らしいとわかる。しゃべり好きのようで、他の部屋の人間が出てこないのが不満のようだ。おじさんとは仲がよく、訊くとここはよく利用しているらしい――彼はハウスに備え付けのノートに、剣山林道を走ったが、途中でリタイアしたと書いている。

 10時くらいに部屋に引き上げ、バッテリーの溶液を注入して寝る(初期充電なんて知りもしないころだ)。


石鎚スカイラインに到る小川。
このあとメシ食ったんだったか。


 
林道案内。

林道からの遠望。まだ舗装されていないころだ。


当時は瓶ヶ森林道を(びんがもり)と誤読している。



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