銀の砂時計

Elegant~美しい旋律に調和する良質な風景・生活空間を求めて

MENTIRINHAS との出会い・・・

2014-02-23 10:00:01 | 音楽空間
そもそも「Mentirinhas」という歌に出会ったのは、ポルトガル語を勉強する前のことで、CARROSSELを観始めたころです。そのころは1990年代の古いバージョンのビデオクリップでした。

その時は歌詞の意味が分かりませんでしたが、とても気に入ってしまいました。駅で両親と思われる人との別れ、幼いころにはいていたであろう靴、そして涙・・・とても哀しいのに優しい気持ちにさせてくれる歌に感動しました。

そしてポルトガル語を学び始め、2013年版のChiquititasが始まると、当然のごとく2013年版の歌を心待ちにしていました。そしてDVDにも収録されている、2013年版Mentirinhasを観た時は体が震えました。

オルゴールのメロディーから始まるそれは、歌の世界を純粋に純化したような美しさに仕上がっていました。オルゴールをイメージした出だしには瞬間ノックダウンですよ。もちろん曲全体は現代的な解釈にアレンジされていますが、胸の内にグサグサ突き刺すような切なさの棘が猛烈に迫ってきます。

歌詞の内容に即したかのような人形劇のシーン、霧の中の森を探し回るような白いカーテンのシーン、ぬいぐるみを抱えている寂しそうな姿・・・これでもか!というくらいに、切なさが攻めてきます。ふつう泣きますよ、これでは。

そしてTatiの涙と歌に熱い思いがこみ上げてきますね。
「Não me diga mentirinhas, dói demais」
この言葉が胸の中に突き刺さって、どうにもなりません。叫びにも似た、強く重たい思いが感じられ、本当に「痛い」です。動画サイトで観る女の子たちも、この部分に力が入っています。この一節を聴くと、鋭利な刃物が突き刺さるような感覚を覚えずにはいられません。

さらに、カメラはViviの涙に続き、Biaの姿、そしてCrisの大粒の涙を映しだします。このシーンを観ていると、ジーンと来ます。確かに演出もあるのでしょうが、この子たちの様子を見ていると、何か深いところにあるものにこころから共鳴しているような気がしてなりません。感情入りまくりで歌う普通のMENINASと同じものを感じるのです。わたしとしては、そこが知りたい。形のないものなのでしょうが、奥深いところにある「何か」を感じるのです。うーん、うまく言葉で表現できないですねえ。

Miliのパートもスゴイ内容ですよね。
「sempre vou te amor」
「vamos ser feliz」
とても優しい言葉を綴っているのですね。泣きたくなるくらい母性豊かな優しさに満ち溢れています。哀しいけれど、優しい気持ちにさせてくれるのは、たぶんこれが原因なのかもしれませんね。


ブラジルの作品、音楽、そしてポルトガル語に出会えたことを幸せに思います。


***
そういえば、Chiquititasに出てくるmeninasの寝室は、どこかシベールの寄宿学校の寝室に似ていますね。普通ベッドの奥に組み込み式の2段ベッドがあるのです。孤児院とか寄宿学校はこういうものなのでしょうかねえ? ああ、でも、ブラジルとフランスですから国が違いますよね・・・偶然? うーん、謎です。