やはりめかぶ強し
メカブの市場が拡大し、モズク市場を超えた。水産業の業界紙「みなと新聞」(九日付)によると、二〇〇四年度のメカブ市場は二百五十億円となり、モズク市場の二百四十億円を追い抜いた。県産モズクは全国シェアの九割以上を占める。食用のほか健康食品などの原料としての需要も高まっているうえ、今年は不作で品薄状態になっている。ある県内加工業者は「モズクの価格は高騰しており、上限の設定も必要。このままだとメカブに取って代わられるのではないか」と警鐘を鳴らしている。
メカブはワカメの根本にある胞子のうの部分。体によいとされる「フコイダン」などを含んでいる。県内最大手のスーパー琉球ジャスコとサンエーでもメカブを扱っている。モズクの売り上げの方がいいというが、メカブもテレビなどで取り上げられたことから、定着しつつあるという。
モズクは三月から六月に旬を迎えるが「ことしはモノがない状態で生モズクの売り上げが落ちている」(両社)という。琉球ジャスコは「ことしはメカブに力を入れようかと考えている。試食販売も検討している」と話した。
モズクを生産する各地の漁協、加工業者などで構成する県もずく養殖業振興協議会は「独占禁止法もあり、価格の設定は難しい」と話す。県は「メカブも伸びているが、モズクの人気も続いている。生産量を増やすなど長いスパンに立って振興を考えたい」としている。
(琉球新報) - 5月25日9時56分更新