生まれたての小鹿がオロオロと歩くように、雪の上を慎重に歩いていたが、もういいんじゃねーか
アイゼン着けようぜ
ついに冬山最強兵器装着
どうだやれんのか
REDと俺はキャッキャッ言いながらアイゼンを装着
俺は興奮のあまりヘルメットまで装着してやったゼ
「さーワイルドに行こうぜ~」
装着したら、まぁ歩きやすいこと
ガシガシ刃が氷に食い込んで、全く滑り知らず
これまでのヨタヨタペースから一気にスピードアップ
俺:「なんだ坂こんな坂
シュッポー
シュッポー
」
RED:「ポーッポーォー」
もう誰も俺たちを止められないぜ
な~んて言ってたら山小屋に着いちゃった
15時無事赤岳鉱泉到着
すでにボルタリングなどやってる人たちがいるし、テントもたくさん張ってあり、人がたくさんいた
受付を済ませてお部屋へ入ろうぜ
大部屋予約してんだけどもう満室だから個室にしろって言われた
何のための電話予約だったんだ
お一人様一泊二食で9,000円、プラス個室代が5,000円
今回は3人だったので一人10,700円って感じ
まぁ最初から個室に行きたかったからいいんだけどね
3人で泊まるには十分な広さ
部屋にはヒーターとテーブルと布団、毛布があるだけ
トイレは離れたところにあって、冬で凍結するから、手洗い場は撤収されてた
手を洗いたかったら、玄関まで戻るしかない
まぁ水があるだけマシ
ちなみに大部屋はこんな感じ
小笠原丸を思い出すぜ
おー怖っ
川に沿って歩くので、ザーと川の流れる音を聞きながら、「あーでねーこーでもねー」と話しながら林の中を突き進む俺たち
気がつけば11時半
隊長:「おいそろそろ昼飯にするか」
カモ:「さっきお茶したばっかりじゃん」
隊長:「あらそ~」
RED:「俺はいつでもいいッスよ~」
ちょっと道が開けた場所に出たので、「ここで昼飯にしようぜ」
隊長の判断で昼飯決定
カモのポンコツガスストーブでは、ちっともお湯が沸かないので、隊長のガスストーブ登場
天狗山でイエロー研究生がファイヤーしてウロウロしたが、一軍では有り得ない
しっかり場所を確保して作業を進めるRED
ケトルを火にかけお湯が沸くのを待つ間、沢を見に行くと滝があった
滝のすぐ上から望める場所で記念撮影をして戻ると、もうお湯は沸いていた
おなじみのカップラーメンと今回はマルチャンのワンタンも付けちゃうよ
外で食うカップラーメンは最高に旨いぜ
腹も膨らんだし、あとは目的地の山小屋を目指すのみ
そろそろ本気出して登ろうぜ
山道には次第に凍結した所が増えていく
何気なく踏むと結構ツルッと滑る
手元の温度計は0℃
やっぱり下界とは違うよね
橋の上が10m先まで凍結し、滑って転んだら川に落ちそうな場所が現れた
もうアイゼンつけた方がいいんじゃねーか
そこへ山を下ってきた人がやってきた
「おいあの人にどこでアイゼンが必要か聞いてみようぜ
」
するとその人は橋の縁で足が滑ってもう少し川に落ちそうになった
俺はもうおかしくて下を向いてしまった
REDが話しかけて、聞いてみると1~2キロ先まで大丈夫だって
お前今滑って落ちそうになったじゃん
とツッ込こんでやりたかったが、そこは飲み込んだ
すっかり寒くなり、もう今年の山は納めたハズだった
山はもう雪に覆われ、軟弱な人間を寄せ付けない世界へと変わってしまったハズだった
しかし俺の闘争心はまだ消えていなかった
何故なら、そこに山があるから
ということで、Gutty登山隊の冬山チャレンジ開催
勇気あるメンバーは、おしゃべりクソ野郎:RED T柴
すぐ結果を欲しがる貧乏性:オレンジ改め、迷彩(カモフラージュ)波ヲ
そして・・・・そしてご存知我らが全能にして、絶対の存在、男気アルピニスト:Green隊長
今回のチャレンジコースは南八ヶ岳
1日目:美濃戸口バス亭→赤岳山荘→赤岳鉱泉
赤岳鉱泉の山小屋で一泊し、2日目中山展望台に上がって、元の美濃戸口まで戻るコースだ
夏なら片道4時間ほどのコースだが、雪が積もった氷点下の世界では、人は思うように動けない
心してかかるべし
朝6時八王子を出発し8時半には美濃戸口に到着
今回は山小屋に一泊するので余裕の時間運び
ゆっくり駐車場で準備開始
カモ波ヲはオークションで1980円でゲットしたアイゼンのセッテイング中
普通なら「そんなの家でやって来い」と一喝するところだが
そこは隊員想いの優しい隊長、「時間はいくらでもあるから落ち着いて、落ち着いて」
そんな中REDはここでもクソしてた
9時過ぎようやく出発
駐車場は寒かったが、歩き出せばすぐに暑くなってジャケットは脱いだ
結果的に着てるのはしまむらのFIBER HEATとフリースの2枚
赤岳山荘までは舗装されていない車道って感じ
まだ車が入れるようで、俺たちが歩く中、何台かの車に抜かれた
すぐに結果を欲しがるアイツらは「車でいけるじゃん駐車場に戻って車を取りに行こう
」とかグタグタうるさい
「アイツらには、まだ山が分かってないな」
1時間ほどで赤岳山荘に到着
天気もいいし、時間もあるからここらでお茶でもしようぜ
さっそくカモ波ヲがポンコツガスストーブを出しお湯を沸かす
これがまた
15分経ってもお湯が沸かない
待ちきれず沸騰しないまま飲むことに
まぁまぁ天気も良いしいいじゃねーか
30分ほど時間をつぶしたが、さーここからが本番だぜ
紅葉の山道を突き進みます
ここまではちっとも雪がなかったが、しばらくすると道に雪がでてきました
「ほらほら出てきたよ~アイゼン着けるか~
」
いやいやまだ早い
のんびり行こうぜ
今回の目的の一つはアイゼンを使って雪道を歩く訓練
俺とREDは早くアイゼンを着けて試したい感じ
カモ波ヲは面倒臭がりの貧乏性なので、早く目的地に行きたいだけ