さて、残っているものも総て11月最終日にエグジットして、一区切りを付けたので、半導体関連銘柄のトレードについて述べてみることにする。
2760東エレデバ月足
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6254野村マイクロ月足
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6298ワイエイシイ月足
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6707サンケン電気月足
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6856堀場製作所月足
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6871日本マイクロニクス月足
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7735スクリン月足
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まずは、前提として言っておかなければならないのは、日本の株式市場は天井を打ったのではないかという大局観である。現在は、天井を打って天井圏のレンジ相場にあるというのが、私の現在の相場に対する基本的な認識であるが、この大局観については、3月17日と7月28日の、以下の2つのエントリーを参照してもらえれば、判り易いだろう。
→「正確に間違えるよりも、大まかに正しくありたい」
→ 仏の顔も三度まで
その上で、半導体関連銘柄選択の理由であるが、それは相場を牽引した先導株であったからである。これは再三述べているが、オニールやリバモアが述べているように、一群の先導株が天井を打つのとほとんど期を同じくして、あるいは少し遅れて相場全体が天井を打つというアノマリーがあるからである。つまり、先導株である半導体関連銘柄が天井を付けるのに狙いを定めて、虎視眈々と空売りのタイミングを伺っていたと言うことである。
私は、毎月末に、つまり月足が確定するのを待って、全貸借銘柄の月足チャートを順繰りに見ていくのをルーティンにしているが、この作業を長く続けていると、どのセクターが底を打とうとしているのか、天井を付けに行こうとしているのかが、感覚的な手ごたえとして明確に判るようになる。その他にも多くの発見や気づきがあるので、ここでこの作業のルーティン化をお勧めして置く次第である。
つまり、日本の株式市場は天井を打ったのではないかという大局観を持つに至った大きな理由としては、これまで先導株であった半導体関連銘柄が、早いものの幾つかは天井を打って下げ出し、上昇が止まってレンジに移行するものや、上げていても上昇速度が鈍ってきているものが多く見られ、半導体関連銘柄全体として天井を付けにいっているのではないかという確かな手ごたえがあったからである。
以上の相場観のもとに、月足チャートの形から選び出したのが、上に挙げたチャートの7銘柄である。
その選定基準は、上げ方が一本調子で角度が急である事である。それは、こういった上げ方が一本調子で角度が急なチャートの場合、いわゆる「行ってこい」のパターンになるのが、かなりの高確率で見られるからである。データは取っていないので正確なところは判らないが、まあ、経験的感触としては大体9割強といったところで、従って、これはチャート的なアノマリーがあると言っても良いだろう。
ここで、一本調子というのは先のチャートを参照して貰えれば判るが、殆ど深い押しが見られないので、チャートの特徴としては、陰線が出ても前の足を下回らない、初動時は別としてチャートの黒い5カ月移動平均線を割らないで上げていくという点が挙げられる。
また、角度が急と言うと、良く角度何度以上かとか聞いてくる人がいるが、これはチャートの表示設定に依って変わってくるので、感覚的な判断でよい。どれくらいが急なのかということは、チャートを次々に見て行くという作業を続けていれば、自ずから判ってくることなので、これは多くのチャートを見て、経験値を重ねることによって、そういった判断の基になる暗黙知が形成されていくとでも言い変えれば、判り易いだろうか。
まあ、上の7つの銘柄のチャートと、その他の半導体関連銘柄のチャートを比べてみてみれば、百聞は一見に如かずということである。
そして、アップ・トレンドからダウン・トレンドへのトレンド転換の判断は、月足で判断する訳だが、その判断基準は、これまで述べてきた日足の場合と同じある。つまり、黒い5カ月移動平均線が水平または下げ出して、陰線でこの5カ月移動平均線を上から下に抜けた時ということになる。エントリー・ポイントは、赤線でチャートに図示して置いたが、5カ月移動平均線が上向きの場合は、また上に抜けていく可能性が高いので、必ず5カ月移動平均線が水平または下げ出すのを待ってから、エントリーするのがミソという点も、日足の場合と同様である。
また、最終エグジットはこれも青線で示して置いたが、前に述べて置いた理由から、日足による個々の判断もあるけれども、今回は月足による群全体の判断によって、残りは総て下げている渦中にエグジットした。これもそのチャートでの特徴を述べれば、目安として赤い25カ月移動平均線に触れるか下抜け、月足の値幅と日柄、酒田新値の本数によって判断している。チャートで図示したように、銘柄によっては5カ月移動平均線を上に抜けたのでエグジットしたものや、再度エントリーしたものもあるが、これも日足の時と同じように基本的に5カ月移動平均線の上抜け・下抜けによる判断である。ただ、いずれも基本にあるのは月足によるトレンド判断で、その背後にある考えは、FXで言うマルチタイム・フレーム、日本の相場格言で言う「着眼大局、着手小局」である。
また、これまでのような途中経過の日足による売り買いの詳しい実戦譜は示さないが、実際には両建てで途中の上げも幾分かは取っているので、最終的な利益は値幅の1.2倍から1.8倍まで様々だが、平均で大体1.5倍くらいになっている。これは月足で一本調子に下げているように見えても、日足で見ると結構上げ下げがあるので、そのうねりを両建てを駆使して取っているからで、この値幅と利幅の関係は、ジャバラを伸ばして平らにしたイメージを浮かべてもらえれば、判り易いだろう。良くテンバガーと言われるが、これが出来るようになると、値幅として6バガーや7バガーでも、実質テンバガーになるということにもなる訳である。
最後に蛇足だが、このチャート・アノマリーを日経225の年足に当て嵌めて見てみたい。というのは、探したが長期の225月足チャートが見つけられなかったからで、年足で代用してみようというのである。
225年足
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前回のアップ・トレンドは。陰線もなくきれいなチャートになっていて、御覧のようにダウン・トレンドへの転換点は赤線のところになるので、エントリーには問題はないが、エグジットの判断はなかなか難しい。あくまで全体のトレンド判断の参考に留めるのが賢明であろうか。
今回のアップ・トレンドは、一昨年の陰線がその前の年の足を下回っているが、基本的に緑の5年移動平均線に支えられて上がってきていると見ることが出来るので、なんとか合格ラインといったところか。従って、述べてきたように、この緑の5年移動平均線が水平か下げはじめ、陰線で上から下に抜けた時がダウン・トレンドへの転換点になるという判断基準から考えれば、来年、前回の時よりも相当に長い陰線が出ないと、5年移動平均線の傾きはまだアップ・トレンドから転換しないと思われるので、ダウン・トレンドへの転換は、早くても再来年あたりになる可能性が高いということになる。
まあ、というのが、この年足チャートからざっと読み取れる事柄であるが、私としてはこれまでにも書いてきたように、これを補強・補完するものとしてはグローバル・マクロ分析が必要であると考えている次第である。
2760東エレデバ月足
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6254野村マイクロ月足
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6298ワイエイシイ月足
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6707サンケン電気月足
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6856堀場製作所月足
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6871日本マイクロニクス月足
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7735スクリン月足
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まずは、前提として言っておかなければならないのは、日本の株式市場は天井を打ったのではないかという大局観である。現在は、天井を打って天井圏のレンジ相場にあるというのが、私の現在の相場に対する基本的な認識であるが、この大局観については、3月17日と7月28日の、以下の2つのエントリーを参照してもらえれば、判り易いだろう。
→「正確に間違えるよりも、大まかに正しくありたい」
→ 仏の顔も三度まで
その上で、半導体関連銘柄選択の理由であるが、それは相場を牽引した先導株であったからである。これは再三述べているが、オニールやリバモアが述べているように、一群の先導株が天井を打つのとほとんど期を同じくして、あるいは少し遅れて相場全体が天井を打つというアノマリーがあるからである。つまり、先導株である半導体関連銘柄が天井を付けるのに狙いを定めて、虎視眈々と空売りのタイミングを伺っていたと言うことである。
私は、毎月末に、つまり月足が確定するのを待って、全貸借銘柄の月足チャートを順繰りに見ていくのをルーティンにしているが、この作業を長く続けていると、どのセクターが底を打とうとしているのか、天井を付けに行こうとしているのかが、感覚的な手ごたえとして明確に判るようになる。その他にも多くの発見や気づきがあるので、ここでこの作業のルーティン化をお勧めして置く次第である。
つまり、日本の株式市場は天井を打ったのではないかという大局観を持つに至った大きな理由としては、これまで先導株であった半導体関連銘柄が、早いものの幾つかは天井を打って下げ出し、上昇が止まってレンジに移行するものや、上げていても上昇速度が鈍ってきているものが多く見られ、半導体関連銘柄全体として天井を付けにいっているのではないかという確かな手ごたえがあったからである。
以上の相場観のもとに、月足チャートの形から選び出したのが、上に挙げたチャートの7銘柄である。
その選定基準は、上げ方が一本調子で角度が急である事である。それは、こういった上げ方が一本調子で角度が急なチャートの場合、いわゆる「行ってこい」のパターンになるのが、かなりの高確率で見られるからである。データは取っていないので正確なところは判らないが、まあ、経験的感触としては大体9割強といったところで、従って、これはチャート的なアノマリーがあると言っても良いだろう。
ここで、一本調子というのは先のチャートを参照して貰えれば判るが、殆ど深い押しが見られないので、チャートの特徴としては、陰線が出ても前の足を下回らない、初動時は別としてチャートの黒い5カ月移動平均線を割らないで上げていくという点が挙げられる。
また、角度が急と言うと、良く角度何度以上かとか聞いてくる人がいるが、これはチャートの表示設定に依って変わってくるので、感覚的な判断でよい。どれくらいが急なのかということは、チャートを次々に見て行くという作業を続けていれば、自ずから判ってくることなので、これは多くのチャートを見て、経験値を重ねることによって、そういった判断の基になる暗黙知が形成されていくとでも言い変えれば、判り易いだろうか。
まあ、上の7つの銘柄のチャートと、その他の半導体関連銘柄のチャートを比べてみてみれば、百聞は一見に如かずということである。
そして、アップ・トレンドからダウン・トレンドへのトレンド転換の判断は、月足で判断する訳だが、その判断基準は、これまで述べてきた日足の場合と同じある。つまり、黒い5カ月移動平均線が水平または下げ出して、陰線でこの5カ月移動平均線を上から下に抜けた時ということになる。エントリー・ポイントは、赤線でチャートに図示して置いたが、5カ月移動平均線が上向きの場合は、また上に抜けていく可能性が高いので、必ず5カ月移動平均線が水平または下げ出すのを待ってから、エントリーするのがミソという点も、日足の場合と同様である。
また、最終エグジットはこれも青線で示して置いたが、前に述べて置いた理由から、日足による個々の判断もあるけれども、今回は月足による群全体の判断によって、残りは総て下げている渦中にエグジットした。これもそのチャートでの特徴を述べれば、目安として赤い25カ月移動平均線に触れるか下抜け、月足の値幅と日柄、酒田新値の本数によって判断している。チャートで図示したように、銘柄によっては5カ月移動平均線を上に抜けたのでエグジットしたものや、再度エントリーしたものもあるが、これも日足の時と同じように基本的に5カ月移動平均線の上抜け・下抜けによる判断である。ただ、いずれも基本にあるのは月足によるトレンド判断で、その背後にある考えは、FXで言うマルチタイム・フレーム、日本の相場格言で言う「着眼大局、着手小局」である。
また、これまでのような途中経過の日足による売り買いの詳しい実戦譜は示さないが、実際には両建てで途中の上げも幾分かは取っているので、最終的な利益は値幅の1.2倍から1.8倍まで様々だが、平均で大体1.5倍くらいになっている。これは月足で一本調子に下げているように見えても、日足で見ると結構上げ下げがあるので、そのうねりを両建てを駆使して取っているからで、この値幅と利幅の関係は、ジャバラを伸ばして平らにしたイメージを浮かべてもらえれば、判り易いだろう。良くテンバガーと言われるが、これが出来るようになると、値幅として6バガーや7バガーでも、実質テンバガーになるということにもなる訳である。
最後に蛇足だが、このチャート・アノマリーを日経225の年足に当て嵌めて見てみたい。というのは、探したが長期の225月足チャートが見つけられなかったからで、年足で代用してみようというのである。
225年足
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前回のアップ・トレンドは。陰線もなくきれいなチャートになっていて、御覧のようにダウン・トレンドへの転換点は赤線のところになるので、エントリーには問題はないが、エグジットの判断はなかなか難しい。あくまで全体のトレンド判断の参考に留めるのが賢明であろうか。
今回のアップ・トレンドは、一昨年の陰線がその前の年の足を下回っているが、基本的に緑の5年移動平均線に支えられて上がってきていると見ることが出来るので、なんとか合格ラインといったところか。従って、述べてきたように、この緑の5年移動平均線が水平か下げはじめ、陰線で上から下に抜けた時がダウン・トレンドへの転換点になるという判断基準から考えれば、来年、前回の時よりも相当に長い陰線が出ないと、5年移動平均線の傾きはまだアップ・トレンドから転換しないと思われるので、ダウン・トレンドへの転換は、早くても再来年あたりになる可能性が高いということになる。
まあ、というのが、この年足チャートからざっと読み取れる事柄であるが、私としてはこれまでにも書いてきたように、これを補強・補完するものとしてはグローバル・マクロ分析が必要であると考えている次第である。