ものぐさ屁理屈研究室

誰も私に問わなければ、
私はそれを知っている。
誰か問う者に説明しようとすれば、
私はそれを知ってはいない。

Oliver Kell’s Price Cycle Mastery

2024-02-20 21:00:00 | トレンド・フォロー


前に紹介した、2020年の→Financial Competitionsで+ 941.1%という新記録を打ち立てて優勝したOliver Kellによる「Price Cycle Mastery」という 無料講座がtraderlionで始まった。

申し込みは、上の画像をクリック!

100% FREE Model Book + Email Courseということで、EBookのテキストと7日間毎日送られてくる解説Emailという講座形式で、まだ全部のメールを受け取っていないが、EBookの内容と最初のメールの概略説明から見て、かなり良質のコンテンツであることは間違いない。

勿論、最後には高額な有料講座への誘導もあるが、著書の「Victory in Stock Trading Strategy and Tactics 」と比べてみても、ふむふむ、無料でここまで出すのかといった、かなり出し惜しみしない内容で、これだけでも彼がどのように「Price Cycle 」をテクニカルに解析しているのかが、十二分に理解できる内容である。

ただ、かなり凝縮された内容なので、テクニカルの基本的な素養の無い人には、こうした高度な応用は、その本質を理解するという意味で、かなり難しいかも知れないが、手元に置いておいて時間をかけて何回も読み直せば、多くの発見があろう。また当然に英文であるが、英語が苦手な人には、AI翻訳でどうにかなるだろう。

いつ打ち切られるか判らないので、興味のある方は、今のうちに手に入れて置くことをお勧めする。

日経平均3万8865円

2024-02-18 21:00:00 | 相場は相場に聞け!
暴落の前に天才がいる。―ジョン・ケネス・ガルブレイス



先週、日経平均は史上最高値まであと50円に迫る38865円まで上昇したが、結局、38487円で引けた。

これまでに、再三書いているように、日本株は、史上最高値は更新しないで、ダブルトップをつけて下がっていくというのが、私のメインシナリオなので、16日金曜日の寄り付きで、殆どのポジションを手仕舞い、キャッシュポジションを93%にまで高めたところである。

勿論、相場に100%はないので、史上最高値更新というプランBも排除するものではないが、今だメインシナリオを変更するほどの兆候は表れてはいないので、後で再検討するためにも、現時点での考えを言語化しておくのも良いだろう。

ということで、以下は、まあ、理屈はどうとでも付くの見本のようなポジション・トークである。

まず、挙げなければならないのは、悲観論がほとんど皆無だと言うことである。SNSなどでも、YHよりも、どうやったら指数に劣後しないかが主なトピックになっているといった異様な有様で、これは楽観の極み、ほとんど陶酔の域に達しているのではないかと私には思われて仕方がないのであるが、どう思われるであろうか。

現況は、史上最高値更新は時間の問題というのが、大多数の市場参加者や識者の総意であると言って良いだろうが、それが返って危ないと私なぞは思うのである。その背後にあるのは、ファンダメンタル的な理由付けであろうが、色々なデータや数字から日経平均5万円だとか、人によっては日経平均何十万円だとか様々に言われているが、これに対しては、そもそもファンダメンタルによって天底が判断出来るのかと私は言いたい。

これは結局のところ、マーケットは何によって決まるのか、ファンダメンタルなのか、それとも需給なのか、というマーケット観に帰着する問題であるが、この点はいささかややこしい認識論的な論点を含むので、こうした議論が嫌いではない方は、以下の二つの文章を参照されたい。

トレンド・フォロー再論

二番煎じトレンド・フォロー再論


後者の立場に立つ私には、さらに踏み込んでマーケットというものの核心を突いたと思われるジェシー・リバモアの言葉を幾つか、ここで挙げておこう。リバモアが、マーケットの需給を動かしているのは<人間の情緒であり情動>だと言っているのはまさに至言であると私は思うが、どう思われるであろうか。


株価を動かす要因が何か、多大の時間をかけて答えを見つけようとするのは愚かである。

株価が変動する姿にのみ意識を集中させよ。変動の理由に気をとられてはならない。

ウォール街に、あるいは株式投資・投機に新しいものは何もない。 ここで過去に起こったことは、これからも幾度となく繰り返されるだろう。 この繰り返しも、人間の本性が変わらないからだ。人間の知性の邪魔をするのは、常に人間の情緒であり情動である。


従って、次にこのような立場から、現時点において、<株価が変動する姿>をチャートからどのように読みとれるのかを以下に示す。

まず、225、TOPIX共に窓を開けて短いコマ上髭ピンバーで終わっているのは、ひとまず天井を打ったことを示唆している。


225


TOPIX

次にセクター別で見ると、1625電気・精密と1626情報通信・サービスその他の長い上髭ピンバーが目につく。この二つのセクターは、明確に天井を打ったと判断して良いだろう。

















さらにこれまで相場を牽引してきた半導体セクターに、16日に明らかなディストリビューション=機関投資家の売りがあったことが巨大な出来高から判ることも挙げなければならい。問題は、それが今後も続くのかどうかであるが、私にはこのタイミングで機関投資家が売ってきたことを重視しない訳にはいかない。それは個別株でも同様だが、何年も前の鋭角に上がって鋭角に下げた天井値というのは、要注意だからである。

暴騰はトレンド、トレンドはフレンド 2








そして、次には、俯瞰してみた<株価が変動する姿>である。

クライマックス・トップ

チャネル・ラインをブレイクしてクライマックス・トップ圏に入ったことは指摘しておいたが、ライフ・サイクル・ステージ分析から言っても、現在が天井圏であることは、すでにベースを5つ形成していることからも明らかに言えることである。





この他にも、上昇ピッチの過熱化など色々と挙げられるが、結局、天井というのは明確には事後的にしかわからず、天井をピンポイントで捉える方法というのは発明されていないので、こうした”状況証拠”を幾つか積み上げていく他ないのであるが、リバモアやオニールの言う如く、複数の先導株が異常な動きをして天井を打つのと機を同じくして相場全体が天井を打つというアノマリーから考えれば、半導体セクターがどうなるのか、来週一週間の相場は天下分け目の天王山になろう。取り分け重要なのは、ディストリビューションの有無であるが、この意味合いで、言うまでもないことだが、現在の相場を象徴する先導株エヌビディアの決算に対する市場の反応がどうなるのかは、最注視イベントであると考えている。

くどいようだが、問題は決算内容の良し悪しではなく、それに市場がどう反応するかである。経験がある人も多いと思うが、最高の利益を出した好決算であるにも関わらず、叩き売られて暴落し、結局そこが天井だったという例は、枚挙に暇がないが、それは機関投資家が売っているからである。そして、こういった場合、往々にしてファンダメンタルズも株価に追随するかのように悪化していくという経過を辿ることになる訳である。