最近はパリのカフェめぐりにはまっています。パリの人は冷たいとか意地悪とか日本では言われているようですが、全然そんなことありませんよ!と声を大にして言いたいです笑
最近久しぶりに会ったフランス人の友人が、もう1人の友人に、「彼女か彼氏できた?」と聞いていて、ほっこりしました。
フランス、特にパリではLGBTについては割とオープンに話されていて、恋愛対象が異性でも同性でも、どちらもありえるよね、というスタンス。カミングアウトも珍しくないですが、あえてしない人もいます。なので、女性だから彼氏いる?とはならないのです。
ファッションにしても、女性がベリーショートにしたって、男性がメイクしたって、年配のマダムが真っ赤な膝丈ワンピースを着ていたって、わたしがショートパンツをはいていたって、フランスの人たちが見ているのは、その人に似合っているかどうかであって、女性(男性)らしくない、とか、良い歳して、、、などと言ったりしないのです。
日本にいた時に、彼氏いる?どころか、アラフォーにもなって結婚しないのは性格に問題があるからでしょ?とか子どもは産まないの?とか不躾に聞いてきた人たちにぜひこの話を聞いてもらいたい笑
わたしはフランス語と同じくらい日本語も好きなので、忘れないようなるべく本を読むようにしているのですが、久しぶりに三浦しをんさんの『舟を編む』を読んで、驚きました。
読んでいない方にネタバレにならないよう気をつけますが、もしネタバレしてしまったらごめんなさい。これは辞書作りに情熱を燃やす人々の話で、2012年に本屋大賞を受賞しています。もともとは女性ファッション誌Classyに2009年から2011年にかけて連載されていたものです。
作中、編集部の若手社員が、【愛】の説明が、「異性を慕う気持ち」となっていることに異議を唱えます。異性と言い切るのは新しい時代にそぐわないのでは、と。
その時上司(主人公)は、もし同性を愛した人が辞書をひいた時に、愛が異性に限定されているのを見たらどういう気持ちになるだろう、ということを考えていなかった、と異議を認めます。
今から15年以上も前の日本でそういったことが話題にされていただけでなく、肯定的に捉えられていたことに驚いたのはもちろん、結局多様性とは、そういうことなのでは、と納得しました。
自分にとって当たり前のことは、だれかにとっては当たり前ではないことを知っていて、自分の常識を相手に押し付けない。
結局、自分がされて嫌なことは他人にしないための想像力が必要なのかな、と思います。