ただいま④

ドイツの入院生活は、２０年以上前に全財産はたいてイギリス留学をしたにもかかわらず、成果のかけらもなくなってしまった今日のイタリアのおばちゃんの英語力と、ほとんどお隣国なのに習慣の違いでトイレにビデがないことを除けばすこぶる快適なものだった
夜中のおしっこ時も、その朝のおしっこも、ベルを鳴らしたら１分以内で看護婦さんが現れるし、身体を拭きたい・・・って申し出たら、たらいに石鹸湯を汲んでタオルと持って来てくれ、ひとりでモタモタしてると“背中拭いたろっか”とまで
翌朝は、どうせ早くから来ても医者と話せるのは何時になるかわかんないから・・・と前の晩から言われてたので、オットはゆっくりと１時間に１本しかない路線バスに乗ってやってきた
しかも、乗り際に荷物を持ってまごついてたら、“いいから早く乗れ”みたいな事を言われ、降りる時にバス賃を払おうとしたら“いいから降りろ”と言われ“ただ乗りしてきちゃった”と喜々としてやってきた
予告どおり、それまでにもう再ＣＴスキャンも撮ってあり、オットが到着して間もなくお昼ごはんが配られてしばらくすると、医者がやってきて・・・
“右足には骨折はないと診断が出ました”“日曜日のフライトでローマに帰っていいですよ”“退院は明日にして、それまでに、飛行機会社への病院の承諾書と診断書、日曜日分までの飲み薬と抗凝固薬注射を用意しときますから”と公式発表
よかったーーーッ