【特集】奥能登の高校野球部の現状(1) 能登・穴水・門前
能登半島地震で甚大な被害を受けた奥能登エリア各高校の野球部も、それぞれ活動に大きな制約を受けています。 2回シリーズで奥能登の高校野球の現状を見ていきます。 1回目は能登・穴水・門前です。 2月24日の小松大谷高校のグラウンド。 大谷の選手とともに練習をしていたのは、能登高校の選手たち。 小松大谷の西野監督から直接指導を受けるなど、刺激に満ちた合同練習となりました。 能登高校は、グラウンドが復興活動の拠点となっていて使えないため、2月10日に新潟県にある丸山監督の母校で練習を再開、以降、様々な場所に遠征をして、合同練習を続けています。 その翌日、金沢錦丘高校で、穴水高校の選手たちも加わり3校での合同練習。 練習後には、錦丘と能登のマネージャーが力を合わせて作ったランチが出てきました。 充実した表情の選手たち。 しかし、穴水はこの頃まだ本格的には練習を再開できていませんでした。 穴水町は最大震度6強。 校舎までの道は崩落授業は近くの穴水中学を間借りして再開していますが高校の校舎を使えるようになるめどは立っていません。 グラウンドに入ると、土は深くひび割れしていて、見たことのない地層があらわになっています。 保護者会などの協力で設置したバックネット裏の屋根も落ちてしまいました。 もう野球はできないかもしれないと覚悟した花園監督でしたが選手たちの方が前を向いていて、励まされたといいます。 「野球による町おこし」を前面に押し出して近年メキメキと力をつけている門前高校。 学校がある場所は震度7を記録。校舎での授業は1月下旬から再開されましたが、取材をした2月下旬の時点で、全校生徒85人のうち登校していたのは15人ほどです。 1,2年生部員40人のうち、町に残っている4人は授業が終わると、町内の体育館でボランティア活動をします。 支援活動が終わったあとは、それぞれがトレーニングに励みます。 物資の段ボールが並ぶ中でシャトル打ちをする選手2年生の2人は、ウエイトトレーニングです。 専用グラウンドは、地震前の12月から改修工事中でした。 地震後、工事が中断していて、バックネットやフェンスがなく、フリーバッティングはできません。 しかし、グラウンドには、地割もなく天気のいい日は、キャッチボールなどはできる環境です。 門前の野球部には、輪島市の外から入学して寮生活を送る選手が多くいます。 電気は復旧しています。 壁紙がはがれたり、床が少しゆがんだりはあるものの建物が使えなくなるほどの大きな損傷はありません。 断水が解消されれば、設備としては一気に前に進める環境は整っています。 それぞれの環境で、それぞれの困難と直面しながらも奥能登の各チームは前を向いて歩き出しています。