三上俊樹日本画の絵具棚

アトリエからの発信・・

金地テンペラの支持体

2020-05-04 | 技法/技術

アトリエの整理中。
奥まった棚の画材の中から・・
合板と石膏の段ボール。

金地テンペラ制作のために使った材料。
支持体に使う厚さ1㎝くらいの合板と・・・
イタリア、ボロ―ニア石膏のほか数種類。

合板の表面には何回となく石膏を塗った記憶と・・
大量のうさぎ膠を湯煎した記憶も蘇る。

乾燥してから凸凹した合板の石膏をきれいに平らに研ぎだす。
研ぎだす作業はなかなか厄介で・・・
ひたすら鋼鉄板を使って削りだす・・
身体も粉まみれになる。

平らになった石膏下地に箔下とのこを塗って・・
やっと・・金箔を貼りこむ。ここまで何日もかかる。
そして生乾きの状態の時、めのう棒で磨き上げる・・
金箔は鏡のような光沢と輝きになる。

同じ金箔を使いながら・・
日本画の金箔とはまったく違う金属的な趣きになる。

・・・金地テンペラ画下地作りの記憶・・・。

カラスウリ/薄美濃

2018-08-10 | 技法/技術


早朝、カラスウリの花・・

あっという間に萎んでしまう。



金箔を貼ったの上にアートレジンを塗り、薄美濃紙を貼る。

金箔の色が和らぐ・・。

まだ、貼ったばかりで柔らかい色にはなっていない。

乾いたのち制作。

※以前、典具帖紙を貼る方法を紹介したが、少々色を重ねることがあるので、今回は少し厚い薄美濃にした。
 


コロタイプ

2018-07-28 | 技法/技術


教室の実技に使用している・・

原寸の「鳥獣人物戯画」甲巻の一場面。

10メートル近いコロタイプ・・


所有する巻子装のもの。

折じわも、原本のよごれ、墨の濃淡、カスレも鮮明に映し出されている。


いくつかの場面を選んで模写に使用する。

遊び

2018-07-03 | 技法/技術
この間、アトリエの隅から出てきた箔を使って・・

既成のモールデイング額で遊んでみる。

本棚の奥からも謄写版の原紙が出てきたので・・



昔のように箔のあかしに使ってみる。

蝋引きのあかし紙より箔の食いつきが良い。

あかしした玉虫箔の裏表。



赤口洋箔と玉虫箔を適当に貼って・・



このままでもよいのだが・・

ピカピカなので、カッターナイフで傷をつけ・・

紙やすりで研ぎ出し・・。少しつや消しにする。

裸で出す予定だったキャンバス地の古い小さな絵に・・これを取り付ける。

アトリエの遊び・・。

玉虫箔、洋箔

2018-06-23 | 技法/技術
箔を入れる引き出しの奥に・・

むかし、よく使っていた箔が出てきたので久しぶりに使ってみる。



青口玉虫箔。ランダムにベタベタ勝手に貼っていく。生乾きなので箔が浮いている。

時間がたって褪色したものもある。本来は中ほどの濃い青。

乾燥後、ドーサを引くとこの色のままではない。



一見、金箔に見えるが・・

真鍮を加工したもので・・・赤口洋箔という。

随分以前、使ったことがある。ドーサ引き後、上に絵具を乗せるとか・・

そういう使い方で使ったような気がする。

久しぶりに見たのでちょっと使ってみることにした・・・。

これもランダムに貼っている。まだ、生乾き・・。

これも時間がたって箔に変色があったり・・

で、なるべく綺麗なものだけを使った。


裏打ち

2018-04-13 | 技法/技術
絹金のミニチュアを1点仕上げ・・

出来上がった絵がほんの少し乾いていなかったとみえ・・

仮貼りから剥がすとわずかに画面がゆがんでいる。

切ってあるマットに入れるとピタッと来ない。



これは余分を切り取ったもので全く問題ない状態。



美濃紙より厚手の紙で裏打ちを再度施し、仮貼りに画面を裏にして貼り込み。




絵皿とピンセット

2018-03-07 | 技法/技術


使い終わって残った絵具のメデイウム、アートレジンを抜いて乾かしてある。

膠の場合はお湯を何回か入れては上澄みを捨てれば膠は絵具から抜けるが・・

アートレジンを使っているのでお湯は使えない。

水をたっぷり入れて繰り返し上澄みを捨てる作業を繰り返したのち乾燥。



Rubis製の細密なピンセット。使っていて少し先端が減ってきた。

制作中に刷毛の毛や空気中のホコリが画面に残ってそのまま制作を続けると・・

思わぬ時にトラブルを起こすこともある。

刷毛を使った後は特に塗った画面を仔細に見ながら取り除く。

過日、友人の展覧会で画面上部の中央に刷毛の毛がしっかり残っていて・・・

あららら・・と思った。


ほんの少しだったら、あまり神経質になることもないが・・。

パネルの反りねじれ

2018-02-26 | 技法/技術
以前、表具師に頼んで貼ってもらった絹金。

使おうとしてパネルを見ると反っている。

絹の引っ張りが強すぎたのか、パネルが弱かったのか。

いずれにしても張り替えないとこのままでは制作中にトラブルを起こしかねない。

絹金を丁寧に剥がして・・



平らなところに置くと一目瞭然。



裏には桟が1本入っているがたまたま材質が弱かったのだろう。



で、ベイ杉の桟を使ってある頑丈なパネルに絹金を貼りかえ。



(※絹金は一般画材店、日本画材店でも市販されていません)

下塗りと墨の色

2017-12-24 | 技法/技術
進行中の下塗り2種



実際はもう少し暗めの茶が混じったような色彩。



これも実際の色はもう少し若葉色が入っている。

別の作品の墨を使ったものは・・

茶墨、青墨を使用しているが・・

今回の青墨は仿古墨のうちからこれを久しぶりに使用。





時を経て出来た青墨の枯れた色と、本藍など草木から採取したものと煤との混合もあるが、

この墨は藍が混ざっている。

久々、色合いを試してみる。

数十年前に手に入れて数限りなく使用しているが最近は使っていない時が多い。

青は枯れているか・・枯れずに・・藍の色がつよいのか・・・。


箔糊濃度実験

2017-12-19 | 技法/技術
箔糊濃度の違いによる接着具合と絵面の違いを実験したもの
金箔砂子撒き・・



用紙:土佐麻紙
砂子筒:極細
下塗り:上部 水干若葉、下部 水干白緑

右 箔糊:濃いめ、画面にテカリ。
中 箔糊:極薄め、砂子は撒きつぶし 
左 箔糊:薄め



用紙:土佐麻紙
砂子筒 同上
下塗り:古渡鎌倉朱

右 箔糊:濃いめ、画面にテカリ。
中 箔糊:薄め
左 箔糊:極薄め 下部は砂子撒きつぶし



銀箔の焼き具合

2015-12-18 | 技法/技術


2日たった焼き具合。

色合いの違いは途中で硫黄を取り除いた部分など・・

時間差によって焼き具合に違いを出す。

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ブログ編集画面の具合が悪く・・・

以前のブログの編集画面に来てしまいました。

訳が分からず・・・ここでしばらくブログを開きます。

???