光文社文庫
2022年9月 第1刷発行
解説・末國善己
357頁
弥勒シリーズ 第10弾
口入屋の主人・徳重と後妻のお月が驚愕の表情を浮かべたまま殺されている事件が発生
2人の死に顔を見た北定町廻り同心の小暮信次郎と岡っ引きの伊佐治は怨みによる犯行の可能性は低いと判断し、探索を始めます
すると何の因果か小間物問屋・遠野屋の主、清之介の周囲に繋がりが見えてくるのでした
本書は冒頭の事件解決がメインですが、これまで不明だった信次郎の過去が明かされている点で大変面白い内容になっています
遠い昔に亡くなった母親のことを周囲に尋ねる信次郎は、いつもの信次郎とは違い、ごく普通の『息子』のように思えます
ところが、そうは問屋が卸さない、のが小暮信次郎
巷で起こる事件は嵌め絵のようなものだ、一片一片をあるべき場所に置いていけば全容が見えてくる、場所を違えては真相は現れないが、そもそも嵌めるべき欠片がなければ動きようがない、と嘯きます
第10弾の遠野屋清之介は脇役に徹していました
第11弾「乱鴉の空」はこれまたすごい展開が待っているようで楽しみです♪
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