幻冬舎
2011年8月 第1刷発行
326頁
このところの西さん、ガンガン来てます
帯にある「圧倒的な肯定」そのもの
素晴しい作品でした
簡単に男に騙される、太っていて、不細工で、ガサツで、でも底抜けに明るく人を否定しないお母さん・菊子=肉子ちゃん
大阪~名古屋~東京~流れ流れて辿りついたのは北陸の漁港
焼肉屋で働き始めた菊子と小学生の娘・喜久子=キクりん
(なんで親子で同じ名前なん?、その理由は後でわかります)
太っているので「肉子ちゃん」と呼ばれるようになったお母さん
娘のほうはお母さんとは似ても似つかない、痩せていてスタイル抜群、とても可愛い
娘のキクりんから見た肉子ちゃんと漁港の暮らしを描いています
漁港の人々の紹介に始まり、小学校での女子児童の力関係あたりまでは淡々と
近くの水族館で飼われているペンギン、三つ子の老人、同級生の二宮、「みう」という名前の美少女の話からは、目が離せなくなりました
子供なのに、世間の裏側を散々見せられてきたせいか、我慢ばかり、逃げてばかりだったキクりんを焼肉屋の店主が叱ります
生きてる限り、恥かくんら、怖がっちゃなんねえ。子供らしくせぇ、とは言わね。子供らしさなんて、大人がこしらえた幻想らすけな。みんな、それぞれでいればいいんらて。ただな、それと同じように、ちゃんとした大人なってものも、いねんら。だすけ、おめさんが、いっくら頑張っていい大人になろうとしても、辛い思いや恥ずかしい思いは、絶対に、絶対に、することになる。それは避けらんねぇて。だすけの。そのときのために、備えておくんだ。子供のうちに、いーっぺ恥かいて、迷惑かけて、怒られたり、いちいち傷ついてりして、そんでまた、生きてくんらて。
肉子ちゃんの絶対的な愛と漁港の人々に見守られながらキクりんは成長していくことでしょう
良い物語を読みました
ここんところ、西さんの作品を立て続けに読んで、どれも凄く面白くて、一気に西さん評価ががぐっと上がっています。
こにさんが斜め字にされた部分、私も凄く印象に残ったところです。
今度は何を読みましょうか。(^^)
TB&コメント、ありがとうございましたm(__)m
肉子ちゃんとキクリンの会話と生活のなりが
とても面白く、且つ温かく心を動かした作品でした
肉子語録が出来そうな感じで(笑)
本当ですね~。
そんな表現を思いつく西さんも不思議な人ですよね!