原題 THE GOOD LIE
2014年 アメリカ
1983年、内戦に揺れるアフリカ・スーダン南部
北軍による突然の襲撃で両親を殺されたマメールは兄のテオと姉のアビタルらと共にケニアを目指す人々の列に加わります
そこには兵士になるのが嫌で北部から逃げてきたジェレマイアとポール兄弟もいました
ある朝、マメールが敵兵に見つかってしまいますが、テオ自らが犠牲となって連行されたことで残りの子どもたちは助かります
テオの代わりにチーフとなったマメールは何日も何千キロも歩いて仲間と共にカクマ難民キャンプに辿り着きます
そして、13年後
マメール(アーノルド・オーチェン)、アビタル(クース・ウィール)、ジェレマイア(ゲール・ドゥエイニー)、ポール(エマニュエル・ジャル)の4人にアメリカ移住というチャンスが舞い込みます
キャンプで医師の仕事を手伝っていたマメールは医者になる夢を抱いてJFK空港に降り立ちますが、女性は一般家庭が受け入れるという移民局の規則で、アビタルはボストンへ、マメールら3人はカンザス・シティへと送られることになってしまうのでした
カンザス・シティで彼らを待っていたのは職業紹介所で働くキャリー(リース・ウィザースプーン)
いつものように彼らに就職先を紹介し右から左へ仕事を片付けるはずだった彼女
他人との距離を置いて生きてきたはずが、彼らとの交友を通じて自分が為すべきことに気付きはじめるのでした
2000年になり『ロストボーイズ』と名付けられた難民キャンプで育った若者たちを全米各地に移住させる計画が実施されたのだそうです
突然自由の国・アメリカへ放り込まれた彼らと受け入れ側との間に起きたドラマです
ピザに舌鼓をうったり、蛇口から出る水に感動したり
様々なカルチャーショックを受けるあたりは「ミリオンダラー・アーム」と同じですね
内戦で母国を追われた難民の悲惨な生活と、そんな中でも必死に生きようとする人々を、笑いと人情の中に描いています
ニュースだけでは詳しく知らなかった世界の実態(一部ですが)が見えてきます
終盤の“やさしい嘘”からラストのスーダンの大地で何の屈託もない笑顔を見せる子供たちの映像が胸に迫ってきました
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