「旅立ちの時」
原題 RUNNING ON EMPTY
1988年 アメリカ
【BSプレミアム】
17歳の少年ダニー(リバー・フェニックス)は両親(ジャド・ハーシュ、クリスティーン・ラーティ)と弟(ジョナス・アブリー)とともに逃亡生活を送っていました
反戦活動家だった両親はベトナム戦争当時に事件を起こし、指名手配されており、ダニーはひとつの町に長く暮らすことが出来ない生活を寂しく思いながらも家族を大切に考える優しい少年に成長していました
ニュージャージーの小さな町で音楽教師に才能を認められ、その娘ローナ(マーサ・プリンプトン)と心を通わせていくダニー
しかし、かつての同志が警察に逮捕されたことからダニーの一家は窮地に追い込まれます
リバー・フェニックス見たさに鑑賞
ダニーと23歳で早世したリバー・フェニックスが重なって見えてしまう感動の青春映画でした
「ベル・エポックでもう一度」
原題 LA BELLE EPOQUE
2019年 フランス
【ムービープラス】
大切な思い出を映画撮影セットで再現する体験型サービスを巡る人間模様を描いたヒューマンドラマ
社会の変化についていけない元人気イラストレーターのヴィクトル(ダニエル・オートゥイユ)は仕事を失い、妻からも見放され家を追い出されてしまいます
息子はそんな父を元気づけようと友人アントワーヌ(ギョーム・カネ)が始めた『タイムトラベルサービス』をプレゼントすることに
それは映画制作の技術を応用し、利用客の大切な過去を再現する体験型サービスで、ヴィクトルは1974年5月16日のリヨンをリクエスト
指定されたセットを訪れると、そこには当時のままのリヨンの街並みがありました
用意された70年代のファッションに着替えたヴィクトルは思い出のカフェでアントワーヌの恋人である女優マルゴ(ドリア・ティリエ)が演じる運命の女性と出会います
セットの中のヴィクトルはイラストレーターとして上り調子だった頃を思い出し、再び生き生きと生活するように
そして現在の妻と出会うのでした
壊れかけた夫婦関係を修復するには過去の記憶を呼び覚ますのが最善
フランス映画らしい定番の物語ですが、役者が演じるところの過去の再現というやや複雑な流れの中で上手く描き切っていました
ヴィクトル夫婦ともうひと組
アントワーヌとマルゴの恋愛関係はキツかったけれどなんだかんだ言いながら腐れ縁は続くのかな?
「幸せの答え合わせ」
原題 HOPE GAP
2018年 イギリス
【ムービープラス】
イギリス南部の町シーフォードで暮らすエドワード(ビル・ナイ)とグレース(アネット・ベニング)はもうすぐ結婚29年を迎えようとしていました
独立して家を出ている一人息子のジェイミー(ジョシュ・オコナー)が久しぶりに帰郷した週末のこと
エドワードは突然「家を出る」とグレースに別れを告げます
その理由を聞いてグレースは絶望と怒りに混乱
そんな母を支えるジェイミーも自身の生き方や人間関係を見つめ直していきます
豪華俳優陣に期待して鑑賞
グレースの夫に対する態度が酷いのです
何事にも妥協を許さずそれを夫にも要求し続け、話し合い妥協点を見つければ上手くいく、と言い募る彼女に憤慨しっぱなしでした
家を出たくなるのは当然のことです
エドワードさん、長年よく耐えましたね
エドワードの恋人の家に乗り込んだグレース
エドワードに激しく言い募るグレースに恋人が穏やかに「あなただけがまだ変わらない」と告げます
その後の演技は流石のアネット・ベニングでした
父親から「最初から乗った列車が違っていた」と言われる息子も気の毒でした
でも、彼の存在が無ければものすごい修羅場になっていたことでしょう
グレースは全く感情移入できないイヤな女性でした
けれどそれを演じたアネット・ベニングが素晴らしかったしビル・ナイもジョシュ・オコナーも適材適所で、観る者に続きを委ねるラストはとても良かったと思います
原題はエドワードたちが暮らす家の近くの入江の名前で、辛い現実を前にしている一家の希望の意味をこめているのだと思います
邦題はヒドイものですねえ
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