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TVドラマ「宮沢賢治の食卓」

2019年09月18日 | ドラマ
2017年 WOWOW 連続ドラマW
【シネフィルWOWOW】

原作 魚乃目三太「宮沢賢治の食卓」

若き日の宮沢賢治(鈴木亮平)
彼の愛した食やクラシック音楽を通して家族や親しい人たちとの関わりを描きます

東京に暮らす賢治の元に実家から妹・トシ(石橋杏奈)の大病をほのめかす電報が届きます
急ぎ、帰郷する賢治でしたがトシは至って元気
電報は家業の質屋・宮澤商店を継がせたい父・政次郎(平田満)の謀でした
まだまだ封建的な家族制度の残る時代
政次郎はまるで悪役のようですが、門井慶喜さんが政次郎を描いた「銀河鉄道の父」を思い出しつつ、その心の内を思いながら観ると、賢治を筆頭に子どもたちに思いを寄せる悩ましい父親像が浮かび上がってきます

妹・トシとの死別に描かれる兄妹愛はやはり泣かされました
石橋杏奈さん、熱演でした

農学校の教師として張り切る姿、音楽教師であり賢治の親友・嘉藤治(山崎育三郎)や結婚まで考えたヤス(市川実日子)とのエピソードなども、ひとつひとつに賢治の誠実さが滲み出ていてとても良かったです
タイトルに食卓とあるように、各話に出てくる「コロッケ」「ビーフシチュウビーフ」「鶏南蛮そば」「焼きリンゴ」「アイスクリーム」も美味しそうでした

それと、政次郎を除く宮沢家の人々の物言いがとても丁寧で、母から子供たち、兄弟の目上から目下、皆名前をさん付けで呼ぶところも、互いを尊敬し尊重し合っているのが伝わってきて大変好ましかったです
家長である政次郎を中心によくまとまった家族でしたね

一風変わった視線で描かれた心温まる宮沢賢治の物語でした


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