新潮クレスト・ブックス
訳・長山さき
2017年8月 発行
211頁
ロシア革命の翌年、サンクトペテルブルクからオランダに逃れ、悲惨で理不尽で滑稽なロシアをめぐる話を〈ぼく〉に語り続けた祖父
事実か嘘か判然としない語りには、意に反して祖国を出なければならなかった祖父の郷愁、絶望、慟哭が詰まっています
ロシアとはそういう国だったのか…改めて体験者の話を聞かされたようで驚いています
語り手である祖父の境遇は、テレヘンの祖父そのものなのですが、話はテレヘンの創造、母から間接的に聞いたものが若干あるほかは、祖父から聞くことができたかもしれない話なのだそうです
テレヘンの祖父への深い愛と鎮魂の思いが伝わってきます
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