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髙村薫「冷血」

2019年07月07日 | た行の作家

新潮文庫
2018年 11月 第2刷
上巻 475頁
下巻 440頁

 

刑事・合田雄一郎シリーズ
ですが、合田も、もはや白いスニーカーで現場を歩き回る年齢ではなく、署内の捜査本部で捜査員達に指示を与える立場にいます

 

クリスマスイヴの朝、東京都北区の住宅街で歯科医一家殺害の一報が入ります
逮捕されたのは闇の求人サイトで知り合った2人の若者で、あっさりと犯行を認めますが、その供述からは動機が解明されず犯意も曖昧なままで、単純な空き巣狙いだったにもかかわらず、家人と遭遇するやいなや問答無用で惨殺に及んだ被告人の冷血と殺意を関係者に納得させるようなものではなかったのです 

上巻の前半は事件前日までの歯科医一家の日常、後半は犯人逮捕に至るまでの捜査状況
下巻は逮捕後の取り調べと裁判の進捗状況が描かれます

 

ものすごい犯罪小説を読ませていただきました。
ただ、合田雄一郎を通してみた被告人たちの姿から髙村先生の著したいものが理解出来たかどうかは些か不安です 

直接事件とは関係ありませんが、合田と義兄の関係に変化は無いようですネ^^

 

昨今、本作で扱われたような、動機が明白でなく被告人に刑事責任鑑定が行われたり、犯人同士が闇サイトで知り合って云々といった事件が増えています
人の命が軽くなっているようで悲しい…

 

 

 

巻末の謝辞に『トルーマン・カポーティ関連の視座云々』とあります
フィリップ・シーモア・ホフマンがカポーティを演じた映画「カポーティ」は観たのですが、その時彼の著書「冷血」には自分如きが手を出しても…と思い読まずじまいです
やっぱり読んでみようかどうしようか…先延ばしかなぁ

それと本作に度々出てくる映画「パリ、テキサス」
これが鑑賞済だったのは読み進むうえで多少の助けにもなりました♪

 

 

 


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