「劇場版ファイナルファンタジーⅩⅠⅤ 光のお父さん」
2019年
【Netflix】
原作 マイディー(ブログ)
仕事一筋だった父(吉田鋼太郎)が、ある日突然会社を辞めて家に帰ってきます
一日中ぼんやりとテレビを見ている父の姿を母(財前直見)と妹(山本舞香)は遠巻きに眺めていましたが、何を考えているのか全くわからない父の本音を知りたいと思った息子(坂口健太郎)は、自分の正体を隠し昔は一緒にゲームをして楽しんだ父と共にゲーム世界で冒険に出ることを思いつきます
顔も本当の名前も知らないゲーム仲間たちに励まされながらマイディーとして父と冒険を続ける中で、これまで知ることのなかった意外な一面を知ることとなります
ゲームは全くしないのでゲームそのものの良さはわかりませんがコミュニケーションツールとして役立つものということが分りました
そして、ゲーム世界とはいえ冒険は人生を豊かにしてくれるもの、のようです
ゲームを通して家族の絆が深まり、恋人まで出来てしまう
笑って泣いて、最後はニッコリ、清々しい思いの残る素敵な映画でした
それと、ゲーム世界の映像の美しさ、ち密さに驚きました!
原作者のマイディーさんは2020年12月、病のため逝去されたそうです
ご冥福をお祈りいたします
「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」
2018年
【Amazon Prime Video】
原作 押見修造(コミック)
上手く言葉を話せないため周囲と馴染めずにいた高校一年生の志乃(南沙良)
クラスメートの加代(蒔田彩珠)と校舎裏で一緒になったことをきっかけに一緒に過ごすようになります
強引なくらい前向きな加代にバンドを組もうと誘われ、加代のギターで歌うようになって少しずつ変わっていく志乃ですが、入学式の日に志乃の吃音をからかった菊地(萩原利久)が強引にバンドに加わることになり…
上手く喋れない志乃
喋り過ぎて相手を傷付けているのに気づかない菊地
バンドをやりたいけれど自分が音痴であることに強いコンプレックスを抱く加代
思春期の揺らぎを見事に演じる若い俳優さんたちに脱帽です
彼女らの瑞々しさが伝わってくる、映像にわざと光を入れる撮影が上手いと思いました
蒔田彩珠さん、『まきたさいたま』?と思ったら『まきたあじゅ』さんですって
失礼しました
最近の若い芸能人さんは読めない名前が多くて困るわ~
「凪待ち」
2019年
【Netflix】
人生につまずき落ちぶれた男の喪失と再生を描きます
都会で無為な毎日を送っていた木野本(香取慎吾)は競輪から足を洗い、恋人の亜弓(西田尚美)と彼女の娘・美波(恒松祐里)と共に亜弓の故郷・石巻の実家へ移り住むことにします
亜弓の父は末期がんに冒されながらも漁師を続けており、近所に住む小野寺(リリー・フランキー)が何かと世話をやいていました
小野寺の口利きで働き口を得た木野本は毎日真面目に働くようになるのですが、ふとしたきっかけで競輪熱が再燃してしまいます
競輪にスイッチが入る時の表情の変化が怖かったです
どちらかというとニコニコ笑っている顔が印象的な香取さんですが、いや~この役柄は凄かったです
見事に『脱皮』しましたね
何かことあるごとに自分のせいにされる理不尽さに怒り、暴力に走る木野本
しかし、亜弓と美波への愛情は本物でした
映画の説明に「再生」とあるのですが、彼の生活は上向いたかと思うとまた下降線の繰り返しで、本当に再生の道が開けるのか終盤まで気が気ではありませんでした
最後の最後に亜弓の父親に「こいつは俺の倅だ」と言われ男泣きする木野本
情けない男ですが石巻で頑張って生きていけそうなラストにもらい泣きしてしまいました
あ~、でもまた競輪にハマるかもねぇ
「泣く子はいねえが」
2020年
【Netflix】
秋田で暮らす幼稚さの抜けない若い父親・たすく(仲野太賀)に娘が誕生します
妻のことね(吉田里帆)は子供じみていて覚悟が定まらない夫に苛立ちを募らせていました
大晦日の夜、地元の伝統行事「ナマハゲ」に参加したたすくはとんでもない失態をやらかしてしまい、妻と娘を置いて東京へ逃げ出します
それから2年、東京にもたすくの居場所はなく妻と娘に会いたい気持ちが強くなっていきます
故郷に戻ったたすくを迎え入れてくれた母(余貴美子)や友人(寛一郎)に簡単な仕事をもらいながら暮らす日々
ことねが別の男性との結婚を控えているのを知ります
たすくさん、一から十まで自業自得でしょう?
どの面下げて故郷に戻ってきたの?
説教の言葉しか浮かばず、何度観るのを止めようと思ったことか
最後まで観る気になったのは吉岡里帆さんの演技でした
とても意思の強い女性です
大きな黒目から感情が無い雰囲気がして好きではない女優さんなのですが、それが本作ではビシッと決まっていました
最後に、ナマハゲとしてやってきたたすくに見せる冷徹極まりない表情から伝わる緊迫感が凄かったです
ナマハゲとしてですが娘に会えて、たすくもようやくケジメをつけて大人になれたのでしょうね
「窮鼠はチーズの夢を見る」
2020年
【Amazon Prime Video】
優柔不断な性格から不倫を重ねてきた大伴(大倉忠義)の前に、大学の後輩、今ケ瀬(成田凌)が現れます
今ケ瀬は大伴の妻が依頼した浮気調査員として不倫を追っていたのでした
不倫の事実を大伴に突き付けた今ケ瀬はその事実を隠す条件を提示します
それは「カラダと引き換えに」という耳を疑うものでした
当然のように拒絶しますが、生来流されやすい性格のせいで、大学時代からずっと思い続けてきたという今ケ瀬のペースに乗せられてしまい、やがて2人の時間が次第に心地よくなっていきます
序盤は、「え~?!」の連続でしたが、徐々に今ケ瀬=成田凌が可愛くていじらしく思えてきて大伴への愛が成就するといいのに、なんて考えていました
男性2人に女性が絡んだ、彼らと彼女の心理戦も見応えがありました
そもそもが大伴のフニャフニャした性格が悪いんですけどね~
人が人を好きになるのに理屈も何もありません
すごく切なくなる素敵な恋愛映画でした
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