時代小説文庫(ハルキ文庫)
2020年2月 第2刷発行
334頁
「あきない世傳 金と銀」シリーズ第10巻
呉服仲間を追われ呉服商いを断念することになった五鈴屋江戸本店ですが、型彫師・梅松と型付師・力造、そして五鈴屋、皆で知恵を寄せ合い、これまでにない浴衣地を生み出そうとします
男女の違い、身分の差を越えて江戸の町に木綿の橋を架けたい、そんな切なる願いを胸に懸命に精進を続けていく幸たち
第9巻の落ち込みが大きかっただけに、今まで経験のないほどの大きな商機が訪れるに違いない、と予感させる内容に嬉しくなりました
大坂からやってきた菊栄の動きからも目が離せません
ある日、西隣お地続きの提灯商いの三嶋屋から、商いに翳りがみえてきたことから遠州に移ろうと考えており家屋敷を買い取ってもらえないか、と話がきます
しかし、太物商売では以前ほどの利益が出ない五鈴屋では余裕がないとしてしばらく保留にしていたところ、菊栄からその話を受けたいと申し入れがありました
幸に多くは語りませんが、色々と算段を重ねているようです
菊栄と一緒に江戸にやってきたお梅と型彫師の梅松との大人の恋(?)や手代・賢輔の思い、などなど読みどころ満載でした
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます