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伊坂幸太郎「フーガはユーガ」

2019年06月29日 | あ行の作家

実業之日本社
2018年11月 初版第1刷
281頁 

 

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双子の風雅と優雅
彼らには誕生日にだけ一瞬にして身体が入れ替わるという不思議な現象が発生します
簡単にまとめれば
それを利用して、悪いヤツ、憎むべき相手に復讐するという物語

 

親から虐待を受け続けた幼い頃
学校で日常的に行われるイジメ
陰で悪行を働く大人たち
双子はいつも協力し合って切り抜けてきました

 

様々な伏線がラストに向けて収束されていくのはいつもの上手さです

ところが
何故でしょう
最後に「スカッ」とならないのです

第一期の作品群は面白く読めたのが、この頃は、虐待、イジメ、暴力の描写から伊坂さんの怒りが伝わってきて気持ちが沈みます
自分の気持ちが、浮かび上がることなく沈んだままで終わってしまうのです

現実社会で報道され見聞きする中に理不尽でやり切れない事件が多過ぎるからでしょうか…

 


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