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小川洋子「掌に眠る舞台」

2023年08月28日 | あ行の作家


集英社
2022年9月 第1刷発行
265頁

舞台をテーマにした物語集

「指紋のついた羽」
金属加工工場の片隅、工具箱の上でペンチやスパナたちが演じるバレエ“ラ・シルフィード”

「ユニコーンを握らせる」
大学入試のため、一度だけ泊めてもらった『昔、女優だった人』のローラ伯母さんの家での二晩

「鍾乳洞の恋」
奥歯のブリッジを治してから首から肩への痛みが続く室長
ブリッジのところから白い小さなものが出てきて…

「ダブルフォルトの予言」
帝国劇場の「レ・ミゼラブル」全公演に通う女性が出会ったのは劇場に暮らす「失敗係」でした

「花柄さん」
いつも花柄のスカートを履いていたことから花柄さんと呼ばれていた女性
部屋で亡くなっているのを発見した管理人は彼女のベッドの下にある物に驚きます

「装飾用の役者」
コンパニオンを生業とする女性が語る、最も自分の資質を説明するのにふさわしい経験譚は役者として舞台で暮らしたことでした

「いけにえを運ぶ犬」
子供の頃、大きなセントバーナードが引っ張ってくる『馬車の本屋』を楽しみにしていた少年
高価で手が出ない渡り鳥の本をシャツの下に隠して帰ろうとするも犬に見透かされているようで…

「無限ヤモリ」
子宝に恵まれるという温泉宿で過ごす女性
宿の主人夫婦が籠に入れた二匹のヤモリを勧めてきます


非現実的、歪な人々の物語
同じ「舞台」をテーマにしていても、それぞれが全く違う趣向で厭きることなく読めました

小川さんの世界観を上手く表現しているヒグチユウコさんの装画も素敵です

コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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Unknown (latifa)
2023-08-28 10:38:20
こにさん、こんにちは!

あ、これは大丈夫だったみたいで良かったです。
短編集だけど、舞台をテーマにしてあって、割と読みやすかったですよね。
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latifaさん (こに)
2023-08-29 08:05:44
普通に読めて嬉しかったです♪
でも、鍾乳洞とヤモリはちょっと引きました('_')

ヒグチユウコさんのエコバッグを持っているとお店の方や、何か行列に並んでいる時に声を掛けられることがあって、嬉しくなります♪
返信する

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