「イマジン」
原題 IMAGINE
2012年 ポーランド、ポルトガル、フランス、イギリス
ポルトガルの古都・リスボンにある視覚障碍者のための診療所
古い修道院に無料で場所を借り、世界各国から集まった患者たちに治療やトレーニングを行っています
そこにやってきたのは“反響定位”というテクニックで杖を使わず歩くことができるイアン(エドワード・ホッグ)
彼はその技術を子供や10代の若者たちに教え始めますが、条件があり、それは彼らを危険にさらさないことでした
一方、イアンの隣室に暮らすのはドイツからやってきた成人女性のエヴァ(アレクサンドラ・マリア・ララ)
引き籠りがちだった彼女もイアンに興味を持ち始め、彼のノウハウを習得して自分も自由に街を歩き回ろうと決意します
『音を見る、音から想像する』
イアンやエヴァらの顔、身体の一部、表情の様子から、自分も彼らと同じように音から映像を想像するような感覚に引き摺りこまれていきます
それでも、つい目で見る映像に頼ってしまいますが
結局、イアンのやり方は危険を伴うということで解雇となり、診療所を去ります
一番の見どころは、イアンの後を追うエヴァとエンドロールに流れるトラムからの街の映像
余韻を残す終わり方にため息がでるほどでした
アレクサンドラ・マリア・ララは見たことがあると思いましたら「ヒトラー~最期の12日間~」でヒトラーの秘書役でした
台詞は少なくても表情や全身で表現できる方ですね
エドワード・ホッグもですが、お二人とも視覚障碍者ではないのにあの演技
素晴らしかったです
イアンの額に生傷が絶えなかったのはご愛嬌かしらん
「ル・アーヴルの靴みがき」
原題 LE HAVRE
2011年 フィンランド、フランス、ドイツ
北フランスの港町、ル・アーヴルに暮らす人々を描いた人情劇
ル・アーブルの駅前で靴磨きをして生計をたてているマルセル(アンドレ・ウィルム)
妻・アルレッティ(カティ・オウティネン)と愛犬・ライカと一緒に慎ましい生活を送っています
ある日、港にアフリカからの不法移民が乗ったコンテナが陸揚げされます
警察が駆けつける中、逃げ出した移民の少年・イングリッサ(ブロンダン・ミゲル)と出会ったマルセルは、母親が暮らすロンドンに行きたいと言う彼のためひと肌脱ぐことを決心します
しかし、時を同じくして医師から不治の病を宣告されたアルレッティが入院してしまうのでした
裕福ではないけれど日頃から助け合って生きている町の人々はイングリッサのことやアルレッティのことなど当たり前のように協力してくれます
何と、地元出身の刑事もイングリッサがイギリスへ渡るのを見逃してくれるのです
粋です
難民問題についてはそれほど深く掘り下げられてはいませんが、互いを思いやり行動する人々の姿を描いた非常に内容の濃い作品だったと思います
「真珠の耳飾りの少女」
原題 GIRL WITH A PEARL EARING
2003年 イギリス、ルクセンブルグ
17世紀のオランダを舞台に、画家フェルメールの名画「真珠の首飾りの少女」が描かれた背景に物語を構築し、モデルとなった少女の眼を通して描きます
フェルメールにコリン・ファース
モデルの少女にスカーレット・ヨハンソン
それだけでも観る価値あり^^
フェルメールが見つめる少女の姿のカットの光や色の美しいこと
まさにフェルメールの絵画そのものでした
2012年、上野東京美術館で本物を観賞いたしました
その時のオフィシャルサポーターが武井咲さんで彼女も充分美しかったですが、本作のスカーレット・ヨハンソンには負けます
ただ美しいだけではなく絵画の中に入り込んで訴えてくるものがありました
それにしても、モデルとなった少女のように貧しさの中、理不尽な仕打ちにも耐えるしか他に生きる方法がなかった人々の多かったことに驚きました
そういう時代だったのですね
「わたしの可愛い人 ―― シェリ」
原題 CHERI
2009年 イギリス、フランス、ドイツ
20世紀初頭のパリを舞台に、美貌と知性で富と名声を手に入れた40代後半の元高級娼婦・レア(ミシェル・ファイファー)と母子ほども歳の離れた19歳の青年・シェリ(ルバート・フレンド)の恋愛を描きます
シェリの母親、マダム・ブルーが、やはり元高級娼婦で、演じているのはキャシー・ベイツ
そもそもレアとシェリを引き合わせておいて、二人の関係も知りながら、シェリには分相応の若い花嫁を見つけるという一筋縄ではいかない女性の役にぴったりと思いました
レア&シェリよりマダム・ブルーにゾクゾクしました
内容は、まぁ良しとして、ベル・エポックの豪奢な衣裳やインテリアは目の保養になりました
「フォーカス」
原題 FOCUS
2015年 アメリカ
ウィル・スミスが視点(フォーカス)を操ることで相手を手玉にとる犯罪のプロに扮したクライムサスペンス
騙し騙されの連続に何度かのどんでん返し、面白かったです
けれどウィル・スミスにしては甘ちゃんだし、相手役のマーゴット・ロビーに色気が感じられないし、物足りない部分も多かったかな
期待したような内容ではなかったです
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