原題 Une Estonienne ã Paris
英題 A Lady in Paris
2012年 フランス・エストニア・ベルギー
エストニアの田舎町に暮らすアンヌ(ライネ・マギ)
12年前に離婚、二人の子どもはそれぞれ独立している
2年間介護を続けてきた母親を看取り、独りでボンヤリ過ごすことが増えてきた彼女に元職場の老人ホームから一本の電話が入る
パリで暮らすエストニア出身の老婦人が世話係を探しており、学生時代にフランス語を学んだアンヌを推薦したいのだという
娘と相談のうえ小さなスーツケース一つだけを持って憧れのパリに降り立ったアンヌだったが
案内された高級アパルトマンに一人で暮らすマダム・フリーダ(ジャンヌ・モロー)はとんでもなく意地悪な皮肉屋で初日朝には早くも解雇を告げられてしまう
ストーリーは簡潔そのもの
エストニアから来た孤独な二人の女性
生れも育ちも考え方も全く違う二人が最初は対立しながらも、やがて心を通わせ人生の歓びを取り戻す、というものですが、虚飾も誇張もないゆったりとした映像はぬるめのお風呂にのんびりつかった後のような実に心地よいものでした
大女優ジャンヌ・モローは勿論ですが、アンヌ役のエストニア人女優ライネ・マギがとても良かったと思います
垢抜けない田舎女性が、少しずつパリという街とフリーダによって磨かれていく様を嫌味もなく演じていました
彼女の唯一の食事シーンが、夜明けのエッフェル塔の前でクロワッサンの端っこを齧る、というもの
邦題はまた何だかなぁ、と思っていましたがこのシーンを観てからは悪くもないかな、と考え直した次第
ラストが最高!
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