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おうち映画(海外)・ファーザー/我らが生涯の最良の日

2022年05月20日 | 映画(海外)
「ファーザー」
原題 THE FATHER
2020年 イギリス、フランス
【Netflix】

ロンドンで独り暮らしのアンソニー(アンソニー・ホプキンス)、81歳
認知症により記憶と時間が混迷することが多く、娘のアン(オリビア・コールマン)が手配した介護人とトラブルを起こしてしまいます
そんな折、アンソニーはアンから新しい恋人とパリで暮らすと告げられます
しかし、アンソニーの自宅にはアンと結婚して10年以上になるという見知らぬ男が現れ、ここは自分とアンの家だと主張します

自分の父親だったら絶対に見たくない、老化、惚け
何と痛々しいことでしょう
しかし、これこそが『老い』なのです

認知症側から見た日常は、まるでミステリーです
こちらから見れば常軌を逸した言動ですが、当人にすればそれで当たり前なのです

認知症を患った家族の世話をする側からより本人の視点に重きを置いて描かれる物語に、決して他人事ではない現実を見せられた気がします
アンソニー・ホプキンスの演技はアカデミ主演男優賞も当然ですね
      



「我等の生涯の最良の日」
原題 THE BEST YEARS OF OUR LIVES
1946年 アメリカ
【BSプレミアム】

第2次世界大戦後のアメリカを舞台に、同じ故郷へ戻ってきた3人の帰還兵が様々な社会問題に直面しながらも再生していく姿を描いたヒューマンドラマ

たまたま同じ軍用機に乗り合わせた階級も経歴も異なる3人の男たち
元銀行員のアル軍曹(フレデリック・マーチ)は家族に歓迎されますが雰囲気がどこか変わったことに不安を感じナイトクラブで浴びるように酒を飲みます
元ドラッグストア店員のフレッド大尉(ダチ・アンドリュース)は出征直前に結婚した妻が実家を出てナイトクラブで働いていることを知り探しに向かいます
両手を失った水兵ホーマー(ハロルド・ラッセル)は義手であることに引け目を感じ家族や恋人に対して心を閉ざしてしまいます

この類の映画でいつも教わるのは、戦勝国アメリカにも犬死した兵士や復員しても心身共に大きく傷ついた兵士や一般庶民がいたこと、実際に戦場に行った者と国で平穏に暮らしていた者との経験の違いです

銀行に復職するも復員兵への融資で上司と揉めるアル
仲間を失った戦闘の夢に悩まされ、ドラッグストアに復職したくても商売の仕組みが変わって居場所もなく、さらに見つけた妻とは金銭感覚の違いから上手くいかないフレッド
家族や恋人の優しさや理解を義手の自分への同情としか受け止められずどんどん引き籠っていくホーマー

フレッドは優秀なパイロットでした
故郷に居場所が無いと感じ、遠いところへ行こうと空港へ
そこで廃棄予定の大量の軍用機を目にします
聞けば、解体し、その廃材は新しい住宅建築に使われるとのこと
自分が必死に操縦した軍用機が廃棄される…複雑な思いにまたあの辛い体験を思い出しますが、もう戦争は終わったのだと自覚した彼はその仕事に就くことにします

序盤は、戦地での体験を共有できるのは同志ともいえる3人のみで彼らがどうなっていくのか心配でした
しかし、故郷の人々と少しずつ距離が縮まり町に溶け込んでいきます

3人の男たち、それぞれが戦争で負った傷を癒しながら新たな生活を始め年を重ねていくのだろうと想像させる明るいラストで良かったです
上手く行き過ぎの感はありますが、1946年のアメリカ映画ですから^^

      

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