時代小説文庫(ハルキ文庫)
2020年2月 第2刷発行
334頁
「あきない世傳 金と銀」シリーズ第8巻
遠目には無地、近づけば小さな紋様が浮かび上がる「小紋染め」
町人向けの小紋染めを手掛けるようになり順調に売り上げを伸ばす五鈴屋江戸店
赤穂浪士が仇討を果たした師走14日に店を開いてから2年が過ぎ、多少の波風はあるものの幸を中心に知恵を絞り、笑顔を絶やさず、売ってよし、買ってよしの精神で毎日を過ごしています
しかし、成長過程にある五鈴屋にお上からの上納金を納めよとの申しつけがあったり、幸の妹、結を見初めた両替商・音羽屋が近づいてきたり、何やら不穏な空気も…
一番驚いたのは5代目だった惣次が姿を現したこと
ただ、五鈴屋に戻る気持ちは全くないようで一安心
江戸暮らしの先輩として陰で五鈴屋を助けてくれたら、と思いますが甘いかしら
江戸店を開いてから
幸は商いの才と人に恵まれているものの、幸自身に人を育てる力が足らないのではないか、と感じていました
それが災いしたのが妹・結の行動です
店主の妹だからこそ、より手をかけて厳しく育てるべきだったのではないでしょうか
男女のこととか鈍感なところもねぇ
五鈴屋の根幹を揺るがすような出来事で終わった本巻
次巻も厳しい内容かもしれませんが読まずにはおられません
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