訳・関口英子
新潮クレストブックス
2018年10月 発行
271頁
4000メートル級の名峰が連なる北イタリアのモンテ・ローザ
街の少年・ピエトロは毎年夏になると、両親とともにその山麓で休暇を過ごしていました
山登りをこよなく愛する気難しい父と、周囲の人々との関係を育む才能に恵まれた母、そして内向的で繊細な一人っ子のピエトロ
グラ―ナ村にある山の家の前で同じ年頃の山の少年・ブルーノと友だちになったピエトロ
2人は互いに持っているものが異なるからこそ、引き付け合い、沢登や廃屋探検、森の散策をしながらかけがえのない時間を共有します
やがて成長した2人はそれぞれの人生を歩みます
父の孤独と遺志、心地よい沈黙と信頼、友との別れ
本当の居場所を求めて彷徨う2人の男の葛藤と友情をピエトロの視線で描きます
一度は父を否定したピエトロですが、歳を重ね、再びブルーノと共に父から教えられた山登りを重ね、山の暮らし、父の思いに気づいていきます
哀しみの中に温かさの詰まった物語でした
原題「LE OTTO MONTAGNE」は「八つの山」という意味で、中央に最も高い須弥山がそびえ、その周りを八つの山が取り囲んでいるという古代インドの世界観からとられているそうです
邦題は作品最後の一節から取られているようです
人生はときに帰れない山がある。僕はそのことを父から教わった。しかも、父と一緒に山を登らなくなって何年ものちに。僕や父のような人生においては、ほかの山々の中央にそびえ立つ、己の物語に初めに出会った山には二度と帰ることができない。最初に出会ったいちばん高い山で友を亡くした僕たちは、それをとり囲む八つの山をさまよいつづけるよりほかないのだから。
映画化されているとのこと
是非とも鑑賞したいです
特に何かの事件が起こるわけで無いけれど、色んな思いがに淡々とつづられ、何故か心にしみます。
普段は「観たら読まない、読んだら観ない」なのですが、こにさんと同じく、この映画は観てみたいですね。
http://blog.livedoor.jp/todo_23-br/archives/33410959.html
原作は読んでいませんが、映画を観ました。
機会があるといいですね。
新潮クレストブックスはいつも良い作品を出版してくれますね。
映画、観たいですよね!
Amazon Prime Videoにあるのですがレンタル500円で無料見放題になるまで待とうかと…(^^♪
わーい、お読みになられたのですね。
これ、私も結構お気に入りの作品でした。
ただ先に原作を読まれてしまったら、映画の2人を見て、えー違うなあ・・って思われそう。
私は逆のパターンで読みましたが、2人のイメージが違うなあ・・と後から回想して思っちゃったし・・・
解るわー、無料になるのを待つっていうの
その辺、承知の上で観るようにしますね。
それに、内容を忘れた頃にしか鑑賞できないかもです。
Amazon Prime Videoは無料でなきゃ観ないと決めているけど、見放題を待っていたら配信終了になった作品もありました。
今のところレンタル料500円なんだけど、本はどうしても読みたければ買うのに、何故映画にお金を使う気にならないのか、自分でもよくわからないのです。
(#^^#)