双葉文庫
2018年7月 第1刷発行
解説・宇田川拓也
534頁
厚紙加工メーカーの営業マン、立花明海(あけみ)
突然、愛猫を喪い、喪失と押し寄せる寂しさを孤独だった幼い日々と重ねて打ちひしがれていました
翌日、行きつけの小さな古本屋に足を運び、そこで『死を輝かせる生き方』という一冊に目が留まり購入
早速読み始めると、「大滝あかね」と記された名刺が挟まれており、次のページの赤ペンで傍線の引かれた一文に目が釘付けになります
自分の人生を愛せないと嘆くなら、愛せるように自分が生きるしかない。他に何ができる?
無性に気になった明海は意を決して名刺のアドレスにメールを送信してみます
後日、あかねから返信が届き、2人は会うことに
あかねは年上の明るい女性で日常の物事を幸福に捉える「幸せの天才」でした
しかし、彼女には余命宣告を受け入院中の恋人がいました
愛するものを喪ったばかりの明海と、愛するひととの別れが迫るあかね
ふたりの恋と様々な人間模様が描かれます
森沢節健在で安心して読み始めたのですが、明海の内省部分がしつこくて読むのを止めようかと思いました
これまで読んだ作品はこれほどではなかったと思うのですが…
最後まで読んでも、これまでのような感動感涙は味わえず残念
処分しようかとも思いましたが、後日の再読でまた違った感想を持てるかもしれませんので本棚に置いておくことにします
「虹の岬の喫茶店」「癒し屋キリコの約束」「大事なことほど小声でささやく」に登場する店や人物との接点があって心憎いリンクは嬉しかったですけどね^^
この直後に『キッチン風見鶏』を読んだあたりから、私の森沢離れが始まりました。
と言いながら、今でも時々は手を出すのですがね。
http://blog.livedoor.jp/todo_23-br/archives/9922079.html
ちなみに『キッチン風見鶏』にはヒロイン大滝あかねさんがチラリと顔を出します
そうですね!
「津軽百年食堂」以来、読み続けてきましたが、そろそろ卒業ですかね。
積んである「おいしくて泣くとき」を読んだらしばし
お休みしようかな。