文春文庫
2002年 9月 第1刷
2017年 6月 第34刷
上巻 463頁
下巻 445頁
解説・久世光彦
中井貴一さん、佐藤浩市さん、三宅裕司さん出演の映画が良かったので読んでみました
主人公は東北・南部藩の脱藩浪士で新撰組隊士の吉村貫一郎
鳥羽伏見の戦場から逃れ満身創痍で大阪・南部藩蔵屋敷に逃げ込んだものの、蔵屋敷差配役であり吉村の旧友であった大野次郎右衛門は冷酷にも切腹を命じます
死を前にした吉村の独白と、明治になってから一人の記者が吉村に所縁のある人々を訪ね歩いて聞いた話とが交互に語られ、新撰組時代の吉村たち、吉村や大野の息子たちのその後など、徐々に全体像が見えてきて最後には見事な結実を見せます
浅田さん、上手いですね~
時代の流れに翻弄されながら義を貫いた吉村と吉村の長男・嘉一郎
彼らは武士の時代が終わろうとする最後の一瞬に生き残っていた骨の髄まで立派なまことの武士であったのです
まるで自分も幕末から明治を見て歩いてきたような気分になりました
中井=吉村の姿を思い出しながら何度も何度も泣きました(T_T)
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