今日の寝相
新聞に隔週で掲載されている、伊藤理佐さんのエッセイが好きなんですよ。
いつも添えられているイラストも好きなんだけど。
何というか、女性有名人のエッセイって、「ていねいな生活」的な?
朝はステキな朝食、朝は食べないと体が活性化しないでしょ、仕事前にウォーキングしますよ、毎日ですよ、時間ができればジムに行きますよ、
お散歩中にこんな光景を目にしたんですよ、それを見てワタシ、こう思ったんです・・・・・
・・・・的な。ハーブティーの入ったマグカップ片手に微笑むお写真を添えて。的な。
そうですか。と、女子力皆無のワタシはそっとページを閉じる。
それはそれでもちろんニーズはあると思うので、ご自由にどうぞ、とは思うのですが、ええ、ワタシは結構ですので、ということで。
で、伊藤理沙さんのエッセイに話を戻すと。(いや、だからといって伊藤さんが女子力ゼロとか言ってるわけじゃないです、念のため)
働く女性であり、奥様であり、お母さんであるのだけど、そこに描かれている日常が、とても普通で、ちょっとオタク入ってて、
そんな普通だったり、ちょっとモノグサ入ってたり、小市民的な気持ちが、「あたし、これでいいのかしら」と心配だったり、
なんだか、「あー、これ、居心地がいい・・・」と思ってしまうのです。
そんな隔週のエッセイ、この週末のテーマは「一人で帰りたい」でした。
いつも「わかるわかる」の嵐なのだけど、今回のお話は特に「あああーーーーそれよそれ!激しく同意っていうボタンがあったら朝日新聞に向かって連打したいくらい、それよ!」
と納得してしまった。
いや、何かというと、「飲み会の帰りは一人で帰りたい」「自分はこっち方面なので、じゃ!と言える人がカッコいい」「何なら友達同士の旅行も現地集合にしたい」
というね。まさか、同じ女子の中にこの気持ちを声を大にして世に放つ人が居るなんて思いもよらず、この日本社会の中に同じ葛藤を抱えるヒトを発見して、
朝から激しくすがすがしい気持ちになってしまった・・・
出張は、一人で移動したい。なので帰りも「あ、ワタシ〇時の席を取っちゃったのでゆっくりして帰ります」とか言ってしまう。
宴会の帰り道も、さっきまでワイワイ会話していたにも関わらず、駅までのほんのちょっとの道は、出来れば一人で帰りたい。
説明し難いこの気持ち。何か不信に思われそうで、なかなか口には出せない。
「ちょっと寄りたいところがあるので」とか、寄りたいところも無いのに言ってしまうし、何なら同じ方向なのに「ワタシこっち方向なので」とか言って遠回りしてしまったり。
いや、ご一緒する方のことが嫌いなわけじゃないし、もちろん仲の良い方だったりするのだけど、
何だろう、この、「女子は二人以上いれば団体行動するでしょ、当たり前でしょ」的な呪縛がどうにも受け入れられないというか。
そういう悶々とした気持ちを、「HKH(ひとりで帰りたいひと)」という(ダイ語かよww)言語化までしてもらえて、こっそりひっそり、嬉しかったわけです。
できることなら、このHKHが流行語大賞になって、なんなら広辞苑に掲載されるくらい日本人に定着してもらえないだろうか、と、密かにここに書いちゃっている。
日本中の同志が一斉に「HKH」をググって検索ワードの上位に食い込んでもらえないだろうか、と。
まあ、流行語大賞にならなくても、自分はこのキーワードを胸に秘めて生きていきますけどね。