叔母と従弟にとっても丸一日掛かりだった。
従弟は、と言うか、母方の男は呑兵衛家系で、
1月末に数十年ぶりに会った時も二日酔いだった。
「病院に来る時は、酒は残らないようにしてね」
と念押しして素面で来てもらったし、
煙草も吸うが、病院一帯が喫煙禁止区域で、
酒も煙草も飲めない点でも、大変だったと思う。
音楽活動を優先できる雇用形態で働き、
平日に希望通りの2日間休めるということだが、
手術日に来た以外に、従弟から連絡は来なかった。
「いとこなのに、冷たい」
と、入院中は思った。
病院まで30分以内と近いのに。
顔面麻痺が起きたのに(術後の説明を聞いている)。
立ち会いのお礼も、多めにしたのに。
でも日にちが経って落ち着いて、考え直した。
従弟にしたら、数十年ぶりに突然連絡が来て、
「手術の立ち会いをする」
ということで回りを固められ、
せっかくの休日前に好きなお酒も飲めず、
丸一日拘束されて煙草も吸えず、
自分の役割はきちんと果たしたぞ!
…と思っていたとしても、筋が通っている。
むしろ今回の大役を果たしてくれて、感謝すべきだ。
叔父叔母も年を取り、
私が今後、入院で親戚に頼むとしたら、
いとこになるのだが、この従弟にはもう頼めない。
実はK病院から近くに住むいとこがもうひとりいて、
件の叔母の娘である従妹が、
見舞いに来てくれた。
いとこの中では一番馴染みがあるが、
それでも滅多に会うことはないし
(うちのいとこは、お互いに交流が全くない)、
母が、
「K(従妹)はお嫁に行ったんだから、頼めないよ」
と言っており、そんなもんかと思っていたが、
見舞いに来てくれた時に2時間も話が弾み、
「叔母さんと一緒に、Kちゃんに立ち会いを
お願いすればよかったな」
と言ったら、
「そうだよ!」
そして、退院時にうちまで送ってくれると言ってくれた。
親戚も友人も、それぞれ事情や考えや相性があるから、
合わないのが当り前、合う人とのご縁を大切にしよう。
もちろん私も、出来る限りのことをする。
因みにこの従妹のことは、このブログに何度も書いた。
2016年11月に、脳動脈瘤の手術を受けたが、
その前に叔母と一緒に、うちに来て、
私の脳外科治療の話を聞いて行った。