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Tシャツとサンダルの候

明星山のとある懸念



日曜日。

いつもの明星山へ。

相変わらずの日々である。

少し勝手が違うのは、


「あ、待って。私も行く。」(家内)


と、手を挙げたやつがいたぐらいだ。



いつもの場所に、いつものように車を停める。

珍しく数台の車が止まっていた。



この日は炭焼きコースを選択。

去年の大雨により削られて、心持ち狭くなった登山道を行く。



暫く進むと、黒蘭の小さな群落がある場所に出る。

そこはまた、一昨年だったか、5~6匹のイノシシの親子連れと、バッタリ出くわした場所でもある。

あの時は、こっちも心臓が飛び出るほど肝を冷やしたが、先方はもっとビックリしたらしく、


「御一行様で、ブヒーとか叫びながら、その斜面ば駆け上がって行きやがった。」(私)

「ふーん。」(家内)


お前の亭主が、イノシシに噛まれて大怪我しとったかもしれんとぞ。

もっとおののけ!



イノシシ達が駆け上がって行った斜面を登れば、木段コースと姫野新道コースに分岐する。

どちらを進んでも、頂上手前で再び合流する。


「今日は、姫野新道ば行くか。」



このコースは所々、道が判別しづらい箇所がある。

何回もこのコースを登っている私だが、『目をつぶってでも登れるぜ』とは言い難いのだ。

コースサインを見落とさない様に登りたい。



そんなこんなで山頂である。

山頂には、7~8人の小学生と、引率らしき大人がいた。

珍しい事もあるもんだ。

コロナ騒ぎで、出かける場所に制約があるしね。

近場の山にでも連れて行くかって感じかな。



山頂付近では、一気に白山木が開花していた。




エビネはまだ蕾だ。

例年に比べ、今年はやや開花が遅いようだ。



ホウチャクソウ




山頂滞在はそこそこにして、白金山へと縦走する。




ん?


上を見上げる。



ヤマフジの季節になったんだな。




この山に登りだした頃から、既にこうなっていた倒木。




こんな小さな枝が、数箇所引っ掛かっているに過ぎない。

倒れてこないのは、偶然の産物と言っていい。


「本当やん。ふーん。」(家内)

「立ち止まるな。とっとと通り過ぎらんか。」(私)



縦走路に咲く春蘭。




白金山到着。




最近増えたアイテム、白く塗られた鐘。


あ!


突然、この鐘を吊るした人間の趣旨に気付いた私。

両手をポンと打ち、


「あ、分かった。何で鐘を白く塗っているのか。白い鐘、白金たい。」(私)

「ふん、今頃気付いたとか。」(家内)



タチツボスミレ




どうも雲行きがおかしい。

朝の予報より、雨が早まってきているようだ。


「山飯は抜きにして、早めに降りるぞ。」




ゆっくり昼飯でもと思っていた白金山も、早々に引き返す事にした。




案の定、途中から雨がポツリポツリと降り出す。

幸い、最後まで本降りにはならず、無事に車に帰り着く事が出来た。




さて、とある懸念がある。

それは、金蘭の自生地の事だ。



最近になって気付いたのだが、ご覧の様に、広範囲に掘り返されていたのだ。

まさか盗採?

それともイノシシの仕業?

堀跡が浅いので、後者だとは思うが、根に何らかの影響があるのではなかろうか?

ずっと気になっていた。



「あ!これ、金蘭じゃ?」


葉だけなのでハッキリとは分らないが、その区域から、2~3本金襴らしき芽が伸びていた。

但し、去年までここに咲いていた本数には程遠い数である。

明星山系では、エビネの開花も今年は遅いようだし、もしかしたら金蘭もこれからなのかもしれない。


イノシシが不届き物であるならば、

その牙が、金蘭の根っこに届かなかったと信じたい。


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