腹筋痛を起こすほど激しかった咳も、漸く落ち着きを見せてきた。
そうなってくると、気がかりなのは山である。
あと一回くらいは、あの白い世界に身を置きたい。
となると今が、冬山ラストチャンスだ。
「明日、くじゅうに登ってくる。」
「ほへ?」
てな訳でくじゅうである。
ただし、病み上がりの身。
大事をとって、どのピークも目指さず、牧ノ戸から御池くらいまで歩こうと思う。
要は霧氷の中を歩ければ、それでいい。
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早朝久留米を出発。
雪に覆われた道路を上り、
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7時22分、牧ノ戸駐車場到着。
気温-4℃、風は弱風と言ったところ。
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これだ。
これが見たかったのだ。
ただし、
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ガスガスである。
沓掛山からの眺望は、星生山を完全に消し去ってしまっていた。
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こんな画像ばかりで、段々と寒気がしてきてはいないだろうか。
これから暫くは、エアコンの温度を少し上げられる事をお勧めする。
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西千里が浜に差し掛かると、急に風が強くなる。
フードを目深に被り直し、ネックウオーマーを口元まで引き上げる。
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標識はその役割を完全に失っていた。
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とは言えこの風のお陰か、ガスが少しだけ薄らいだようだ。
うっすらと星生崎の岩稜が見えてきた。
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寒気のする画像追加。
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避難小屋通過
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折からの強風は、遂にガスを払いのけてくれた。
天狗ヶ城の山容が、ハッキリと見えてきた。
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ところが、御池に到着したころはご覧の通り。
またガスの中である。
ついでに言うと、数日前の情報で知ってはいたが、御池を覆っていた氷は、完全に消失している。
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御池外周を回り込み、池ノ小屋の手前を通過。
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天狗ヶ城と中岳を結ぶ尾根までやって来た頃には、再び青空が広がってきた。
この日はピークは目指さない筈だったが・・・
何故だか絶好調である。
ここまで来たのだ。
中岳ぐらいは登ってみるか。
そうとなれば、青空が見えている内に先を急ごう。
だがしかし、、、
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あらまあ、
またガスが行く手を覆いでしまったよ。
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それでもめげずに岩場を登り切り、
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山頂到着だ。
風強し!
めちゃ強し!!
歯ぎしりしたくなるほど強し!!!
長居は無用。
とっとと降りよう。
元来た道を引き返し、中岳方向を振り返れば、
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何だ。
今頃晴れちゃってるよ。
いつの間にか風も止んでるし。
しかしまあ、大体こんなもんだ。
山の神様は相変わらず意地悪である。
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御池&天狗ヶ城
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霧氷の海に浮かぶ稲星山
ガスに振り回されても、御池が凍ってなくてもいい。
この日の主題はただ一つ。
この霧氷なのだ。
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久住別れまで戻ってきた。
先ほどここを通過した際は、濃霧で影も形もなかった阿蘇五嶽の姿も、今は綺麗に見えている。
(主題は霧氷と言いはしたが、もしかして、1時間半遅れで出発していたなら・・・)
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久住別れ避難小屋の中で、そんな後悔にも似た気持ちで、カップ麺をすする私である。
ズズズー
少し休憩したら下山だ。
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扉を開ければ、星生崎の真上に氷柱が。
私にはどうにも小屋が鼻水を垂らしているように見え、ひとりクスリと笑ってしまった。
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紺碧の空と黒い岩肌、そして純白の霧氷。
ここのコントラストが、冬のくじゅうで一番好きである。
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星生崎と久住山のツーショット。
これも好きなアングルだ。
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星生山
白く清けき稜線に、しばし立ち止まる。
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陽光に照り映える霧氷が、実に美しい。
ただし、
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それと引き換えに、気温もグングン上昇。
となると、
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こうなる。
くじゅう名物、ドロドロ泥濘の出現だ。
ウヒャー!
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足元泥んこで牧ノ戸到着。
そして、牧ノ戸名物のソフトクリームを頬張るのだ。
これで冬山は終わりかな。