昨日は、久しぶりの阿蘇山である。
仙酔峡からスタート。
高岳稜線から下り落ちてくる、仙酔尾根を行く。
途中、レリーフの前を通った。
初めてみる慰霊碑である。
??
念のため、地図アプリで確認しようと、ポケットを……
「あちゃ!スマホば車に置き忘れた。山地図が使えん。」(私)
「あ~あ。」(家内)
言い忘れていた。
この日の同行者は、私の家内と福岡の義兄である。
「だーーーいじょうぶ。道やら間違えんけん。」(私)
「この慰霊碑の前に立っとる時点で、既に、間違えとるとやろもん。」(家内)
仙酔尾根、別名バカ尾根。
まったく、バカみたいに登り一辺倒で、バカらしくなるほどキツイ。
おまけにこの日は、バカみたいに暑いときた。
初夏の陽気だ。
アウターを脱ぎ、インナーも脱ぎ、最後はTシャツ一枚である。
このロープが見えてくると、元気が出てくる。
何故なら、もう少しで、この忌々しいバカ尾根から解放されるからだ。
やっと稜線が見えてきた。
着いたぜ!
稜線に出た途端、冷たい風に晒される。
慌てて、ザックから脱ぎ捨てたアウターを取り出した。
何人もの命を呑み込んだ鷲ヶ峰。
大迫力だ。
一旦、高岳東峰へ。
ミヤマキリシマの灌木の間を進む。
天狗の舞台。
溶岩テーブルと言うらしい。
断崖を回り込むように進むと、舞台の上に出る。
「ここで休憩しようか。」
天狗の舞台から、高岳火口跡を望む。
斜面には、ミヤマキリシマの株が広がる。
シーズンになれば、見事なピンクの絨毯に変わる事だろう。
問題は、いつ噴火するか分からない中岳だ。
せめて、6月までは、つむじを曲げない様祈りたい。
崖の上から、斜面を見下ろした。
少し傾斜がある。
ここから先は、ビビッて止めた。
祖母山系。
絶好の登山日和。
あの山から、こちらを見てる人も多いだろう。
勿論、根子岳からも。
昼飯を済ませたら、高岳山頂へ。
肥後の国(1592m)到着。
お鉢の切れ目から少しだけ顔を覗かせる根子岳。
「それじゃ、先に進もうか。」
中岳山頂には、数人の人影が見える。
到着。
火口から立ち上る噴煙は、今日は薄めである。
眼下には、阿蘇千枚田と外輪山。
遥か彼方には九重連山もクッキリと。
下山である。
10分程下ったところで、別ルートを歩いている事に気付く。
このルートでは、阿蘇火口を間近で見る事は叶わない。
「引き返そう。」
「えー!!誰?道やら間違えんって言ってたのは。」
「ウググ」
この後、ヤツの非難は執拗に・・・執拗に 繰り返される。
こっちで間違いない。
「皆さん、こちらでーす。ガイドの後に付いて来てくださーい。」(私)
「何がガイドね!」(家内)
「ハハハ。」(義兄)
ガレ場を抜けると、
中岳火口だ。
火口を間近で見られるのが、このコースのお楽しみなのだ。
廃墟と化した仙酔峡ロープウェイ山上駅
「子供たちが小さい頃、ここで土産物とか買ったのに。」(家内)
かつての賑わいも今は昔である。
駐車場が見えてきた。
野焼きの煙だろうか。
遠く、外輪山から煙が上がっている。
「さあ、温泉だ。」
「道、間違えたくせに。大体、いつもオッチャンは・・・」
「まだ言うか!!」