極端な暑がりである。
高良山や明星山へは、自宅から歩いて行くことが多い。
山に登り出すと、すぐに温まってきて、この気温でも上着は脱いでしまう。
上着の下は、大概、長袖と半袖のTシャツを重ね着しているだけである。
山ではこれに近い格好のオッサンも、たまーに居る事もあるので、それほど驚かれることはない。
先日の事
山から下りて平地にかかると、さすがに体が冷えてくる。
麓近くのスーパーまで来ていた。駐車場に降りる石段がある。
そこに腰掛けて、ザックから上着を取り出そうとしたら、幼い子供の手を引いた主婦が後に近づいてきた。
ザックを置いて立ち上がり、端っこに避けて通過するのを待っていた。
その日は生憎と、半袖のポロシャツと半袖のTシャツという、夏の装いであった事は書いておかねばなるまい。
その親子は私を見て立ち止まり、一瞬怯えたような表情を浮かべ、遠く離れた石段まで迂回した。
この季節に、違和感丸出しの服装であったことは認める。
だからといって、私は変質者でもないし、無論、誰に対しても害意などない。
ただのしがない暑がりというだけである。
なのに、
あからさまな迂回は無かろう!
私を避けた理由を、幼い子供に何と言って聞かせたのか。
ふん!!
憤然としながらも、上着を着て再び歩を進めた。
誰もいない河原に来たあたりで、こっそり自撮りをしてみた。
あの親子の気持ちが、わかった気がした。